蛭川研究室

蛭川立の研究と明治大学での講義・ゼミの関連情報

脳神経科学

ケタミン・ルネサンス

hirukawa.hateblo.jp hirukawa-notes.hatenablog.jp 承前。 ケタミンの抗うつ作用の「発見」は、2019年のアメリカでは「パラダイムシフト」[*1]と呼ばれ、2020年の日本では「欧米では,ケタミンの抗うつ効果は,気分障害研究の歴史において,過去60年間で最…

サイケデリックスによる臨死様体験と抗うつ作用の一例

ー 日本における医療用アヤワスカ・アナログをめぐる裁判事例を中心に ー 2024年2月25日に日本心霊科学協会で行った講演の資料です。今までにこの蛭川研究室ブログにアップしてきた記事へのリンク集です。 近況報告 発表資料 京都DMT茶会裁判 アマゾン先住民…

精神疾患と創造性

統合失調症と双極性障害 精神疾患と創造性との関係は、かねてより議論されてきた。精神疾患に罹患していた学者や芸術家についての病跡学的な研究はさかんに行われてきたが、大規模な集団を対象とした統計的研究が進んできたのは、この十年ほどである。 統合…

ケタミンの再発見

この記事には医療・医学に関する記述が数多く含まれていますが、個人の感想も含まれており、その正確性は保証されていません[*1]。 日本でもケタミン・クリニックが始まる 麻酔薬から抗うつ薬へ プラセボよりも効果があるのか? 即効性の意味 ケタミン・ルネ…

【資料】精神疾患における認知機能とその低下

統合失調症、その他の精神疾患、健常群の認知機能の低下[*1] 発症時期を0年として補正したグラフ> 統合失調症、その他の精神疾患、健常群の認知機能の低下[*2] 統合失調症と双極Ⅰ型障害を健常者と比較した場合[*3] 双極性障害のほうがもともとの認知能力が高…

サイケデリック植物の共進化

この記事は書きかけです 果実に糖分が含まれているのは捕食者に食べられて種子を散布するための「延長された表現型」である。 シロシビンがウシなどの動物の糞に生えるのも同じような機能のために共進化してきたのかもしれない。 https://onlinelibrary.wile…

サイケデリックスの分子構造と生合成過程

インドールアミン フェネチルアミン誘導体 メジャー・サイケデリックスの多くは、モノアミン神経伝達物質(セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンなど)と同様の構造を持っており、単純にこれらの物質と同じ働きをすることで精神作用を発現しているのは…

フェネチルアミン(PEA)

この記事には医療・医学に関する記述が数多く含まれていますが、個人の感想も含まれており、その正確性は保証されていません[*1]。 フェネチルアミン (phenethylamine) は、フェニルエチルアミン (phenylethylamine)ともいう。略してPEA。 「恋愛ホルモ…

サイケデリックスの簡易試験

インドール系とフェネチルアミン系 「N-爆弾」 LSDアナログ 日本では違法薬物=覚醒剤・大麻という公式が広く流布しており、サイケデリックスが問題になること自体が少ないので、鑑定方法についてもあまり知られていない。 薬物事件弁護の解説書にある簡易検…

【資料】Albert Hofmann『LSD: Mein Sorgenkind』

アルベルト・ホフマンの『LSD』の前書きの部分がKindleで試し読みできたので、その部分をテキスト化した。 VORWORT Es gibt Erlebnisse, über die zu sprechen die meisten Menschen sich scheuen, weil sie nicht in die Alltagswirklichkeit passen und si…

精神展開薬(サイケデリックス)

この記事は特定の薬剤や治療法の効能や適法性を保証するものではありません。個々の薬剤や治療法の使用、売買等については、当該国または地域の法令に従ってください。 サイケデリックス(psyche-delics)とは「無意識の意識化」を意味する。使用する当事者…

「自殺からの解脱ー京都相思(アヤワスカ)茶会事件:第2報」

要旨 出来事の時系列 事件の背景 事件の詳細 今後の研究に向けて 西暦2023年3月12日に行われた人文死生学研究会での発表要旨。 要旨 2019年7月に、希死念慮に悩まされていた京都の男子大学生が自己治療のためにDMTを含む相思樹(アカシア・コンフサ)の樹皮…

サイケデリックスの量と作用時間

この記事は特定の薬剤や治療法の効能や適法性を保証するものではありません。個々の薬剤や治療法の使用、売買等については、当該国または地域の法令に従ってください。 作用時間 摂取量 マイクロドーズ 作用時間 現在、治療薬としてもっとも注目されているの…

精神展開薬(サイケデリックス)の抗うつ作用

クラシック・サイケデリックスの多くはセロトニンと類似した構造を持ち、おもに5-HT2A受容体のアゴニストとして作用する。SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と同様に、うつ病(とくに治療抵抗性うつ病)、不安障害、強迫性障害に有効である[*1]。抗…

LSDアナログ

この記事には医療・医学に関する記述が数多く含まれていますが、個人の感想も含まれており、その正確性は保証されていません[*1]。 画一的な規制は流通を不透明にする LSDアナログ 日本の「脱法」文化 ゲートウエイとしてのCBD LSD禁止の影響はまず、刑務所…

精神活性物質と植物・菌類

「茶」の文化的バリエーション 主要有効成分 植物名 学名 通称 アレコリン Areca catechu ビンロウ ニコチン Nicotiana spp. タバコ カフェイン その他の キサンチン アルカロイド Coffea arabica コーヒー Camellia sinensis チャ(茶) Cola spp. コラ(コ…

大麻・カンナビノイドの向精神作用と精神文化

この記事には医療・医学に関する記述が数多く含まれていますが、個人の感想も含まれており、その正確性は保証されていません[*1]。 大麻の向精神作用 大麻精神病と関連する物質誘発精神疾患 大麻の向精神作用 大麻は酒やタバコよりも害が少ない、というが、…

睡眠変調療養記 ー当事者研究としてー

睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害と脂肪肝・高脂血症の治療を進めています。医療法人ともしび会・ファイヤークリニック(代表、江越正敏)に通院し研究協力も行っていますが、診療報酬以外の資金等の授受は行われていません。 この記事には医療・医学に関す…

日本の精神展開薬研究史

この記事は書きかけです。関連する情報をご存じの方はお知らせください。 この記事には医療・医学に関する記述が数多く含まれていますが、その正確性は保証されていません[*1]。検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。この記事の内容…

大麻とカンナビノイド

Cannabis and Cannabinoids この記事には医療・医学に関する記述が数多く含まれていますが、その正確性は保証されていません[*1]。検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。この記事の内容の信頼性について検証が求められています。確…

デリリアント(せん妄誘発薬)

Deliriants この記事には医療・医学に関する記述が数多く含まれていますが、個人の感想も含まれており、その正確性は保証されていません[*1]。 トロパンアルカロイド キダチチョウセンアサガオ ベラドンナとスコポラミン トロパンアルカロイド トロパンから…

エンタクトゲン(共感薬)

この記事は特定の薬剤や治療法の効能や適法性を保証するものではありません。個々の薬剤や治療法の使用、売買等については、当該国または地域の法令に従ってください。 カテコールアミンと中枢神経刺激薬 フェネチルアミン誘導体 共感薬(エンタクトゲン) …

カンナビノイドに類似する作用を持つ植物

この記事は特定の薬剤や治療法の効能や適法性を保証するものではありません。個々の薬剤や治療法の使用、売買等については、当該国または地域の法令に従ってください。 アサ科の植物 トリュフ カヴァ サルビア、マカ、ニンジン カンナ クン・サンの治療儀礼 …

てんかんの検査/内部視覚

井の頭公園の木漏れ日 Office Yule(動画閲覧注意:明滅する光が脳を刺激します) 睡眠障害の検査 てんかんの検査 睡眠障害の検査 2018年6月。晴和病院で睡眠障害の検査のため脳波の検査を二回行った。終夜睡眠ポリグラフ検査では睡眠時無呼吸が治っていたの…

力への帰依・力への意志 ー「依存」のシステム理論ー

この記事には医療・医学に関する記述が数多く含まれていますが、その正確性は保証されていません[*1]。検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。この記事の内容の信頼性について検証が求められています。確認のための文献や情報源をご…

脳と神経伝達物質 ー 模型による解説 ー

この記事には医療・医学に関する記述が含まれていますが、その正確性は保証されていません[*1]。検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。この記事の内容の信頼性について検証が求められています。確認のための文献や情報源をご存じの…

「身体と意識」2021/10/15 講義ノート

事前の授業計画とは前後してしまうのですが、脳や神経の構造や機能を学んだ後で、いろいろな意識体験の具体例を示していくという演繹的な方向よりも、具体例を示してから、基礎知識を説明するという帰納的な進め方をしたほうが、わかりやすいだろうなと思っ…

睡眠と覚醒の概日周期

この記事には医療・医学に関する記述が数多く含まれていますが、その正確性は保証されていません[*1]。検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。この記事の内容の信頼性について検証が求められています。確認のための文献や情報源をご…

臨死体験の尺度

コア経験(core experience) 臨死体験尺度 生命を脅かす危機的状況に対する心理的反応 臨死体験の体験内容については、英語圏で標準的な尺度が作られ、それが日本語にも翻訳されている。しかし、とくに宗教的な概念については文化的な背景の違いもあり、翻…

レム睡眠とノンレム睡眠のサイクル ースマホのアプリでの記録ー

スマートフォンには加速度を検知するセンサーが内蔵されており、うまく応用することで睡眠の状態を記録できる。「Sleep Cycle」は、身体の振動からレム睡眠を検知し、最後のレム睡眠の段階でアラームを鳴らす仕掛けのアプリである。Sleep Cycle: スマートア…