東南アジア

統制と禁制

競馬と占い 闘鶏の解釈人類学 日本近現代の統制と禁制 競馬と占い 小さな政府で税金の安い香港はビジネスで成功を夢見る人には都合のいい場所だが、敗者や弱者にとっては公的な社会福祉が不十分なぶん、不安な社会でもある。香港では競馬と占いが盛んであり…

【資料】グレゴリー・ベイトソン(Gregory Bateson)

日本語版『精神の生態学』の巻末にベイトソンの全著作とその和訳リストがある。1936年『Naven』(邦訳なし)Naven: A Survey of the Problems suggested by a Composite Picture of the Culture of a New Guinea Tribe drawn from Three Points of View作者:…

仏教の戒律

初期仏教における戒と律 「酒」と「薬」の間 初期仏教における戒と律 仏教における戒律は、戒(sIla:行為の規則)と律(vinaya:教団の規則)からなる。初期仏教の経典の中で、もっとも重要視される『ダンマパダ』の第18章は、死を目前にした人が閻魔王に向…

【資料】青木保『タイの僧院にて』

人類学者である青木保氏じしんがタイで出家した「参与観察」の記録『タイの僧院にて』。還俗したときの経文がパーリ語で記されている。私がかつてチェンマイで出家・還俗したときには(→「タイでの一時出家」を参照のこと)、パーリ語とタイ語訳とを交互に唱…

「身体と意識」2021/12/10 CE 講義ノート

前回は、意識状態を変化させるための身体技法としての瞑想ということで「タイでの一時出家」という資料にリンクを張りましたが、その件での議論があまりありませんでしたね。記事が長すぎて内容が多すぎたかもしれませんから、今回もこの資料の続きにします…

「人類学B」2021/11/16 CE 講義ノート

前回は「象徴としての世界 −バリ島民の儀礼と世界観− (改訂版)」の前半部分を議論するということでした。この文章は長いので、今回は後半についての議論ということにしたいと思います。「儀礼の象徴性」よりも下の部分です。これだけでもたっぷりの分量で…

「人類学A」2021/07/13 講義ノート

来週で最終回になりました人類学Aの授業ですが、今回は、まずは、私じしんがタイで出家した話(→「タイでの一時出家」)を読んでください。人類の精神文化のうちで、もっとも人間らしいものは宗教だといえます。ただ、科学が進んだ社会では、昔の宗教はあま…

【講義ノート】「人類学B」2020/12/21

https://www.meiji.ac.jp/koho/6t5h7p00000vgfy1-att/6t5h7p00001m6udj.pdf 上記リンクの学年暦にありますとおり、この人類学Bの授業も、今回を含めてあと二回となりました。今回から、最終回にかけては、神話という世界観について議論していきます。神話と…

【講義ノート】「人類学B」2020/12/07

人類学Bの講義ノートです。今週は(一年前の授業と同じで)ミクロネシアから、インドネシアへと南下します。先週までの授業では、オーストロネシア語族というグループの、ミクロネシアのヤップ島の文化を紹介しました。今回の講義では、同じオーストロネシア…

【講義ノート】「身体と意識」2020/12/04-11

12月4日の講義資料を、すこしだけ書きなおしました。 タイでの出家 まず最初に、具体的な体験談として「タイでの一時出家」を読んでください。その後、ほとんど同じ内容を『風の旅人』という雑誌に「チェンマイー時間の彼岸ー」というタイトルで書きました。…

タイでの一時出家

アジアの近代化と仏教原理主義 タイの一時僧制度 宗教とルサンチマン 自己の消滅あるいは魔境 アジアの近代化と仏教原理主義 タイでは、仏教が国家的に信仰されている。このタイ仏教は、系統的には、初期仏教の流れをくむテーラヴァーダ仏教(上座部仏教)で…

象徴としての世界 −バリ島民の儀礼と世界観− (改訂版)

「最初の楽園」バリの誕生 観光資源としての葬送儀礼 カネのかかる葬儀 楽しい火葬 海が象徴するもの 儀礼の象徴性 動物性の嫌悪 〈不浄〉から〈聖〉への反転 霊力の顕現 共同体の〈死と再生〉 循環する時間 「最初の楽園」バリの誕生 マレー半島の南東、赤…

【講義ノート】「人類学B」2020/11/23

人類学Bの講義ノートです。去年のノートを切り貼りしつつ、今年のノートを作りなおしています。11月23日は祝日なのでお休みかと思いかけていましたが、休日授業実施日でした。 https://www.meiji.ac.jp/koho/6t5h7p00000vgfy1-att/6t5h7p00001m6udj.pdf先週…

世界の美術全集

先史・古代を主とした美術全集 『世界の大遺跡』(全13巻、講談社)は考古学的な美術に特化した美術全集である。『新潮古代美術館』(全14巻、新潮社)は、東西の古代文明の美術を網羅している。日本の原始美術・古代美術も含まれている。ただし1970年代の刊…