蛭川研究室ブログ新館

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お知らせ

【2020/02/03】
連絡先・アクセス情報を更新しました。
【2019/10/27】
来年度から再開する蛭川ゼミの紹介動画がアップされました。(→詳細

連絡先

〒101-8301
東京都千代田区神田駿河台1-1 明治大学研究棟 221号室

お問い合わせは、以下のアドレスに電子メールでお送りいただくのが、もっとも確実です。

連絡先・アクセスの詳細はこちらをご覧ください。

「なぞなぞ認証」について

いくつかのページには、はてなブログ特有の「なぞなぞ認証」という、軽いパスワードをかけています。

上記のような画面が表示される場合には、指示に従ってパスワードを入力してください。パスワードをお忘れの場合は、お手数ですが想起していただくか、上記メールアドレスまでお問い合わせください。


ギリシアアテネにあったプラトンアカデメイアは、現在、公園として開放されている
 

ところどころに大理石の遺構が遺っている
 

現在の公園の入り口。「犬のフンは飼い主が持ち帰りましょう」



CE2019/02/25 JST 作成
CE2020/02/05 JST 最終更新
蛭川立

連絡先・アクセス

まずは電子メールを

連絡手段にはいろいろありますが、電子メールがもっとも簡単で、確実です。ここ数年、イギリスやオーストラリアなど、世界各地を転々とする生活を続けてきましたが、明治大学公式の電子メールアドレス

hirukawa(半角あっとまーく)meiji.ac.jp

は、ずっと変わっておりませんので、こちらにお送りください。持ち歩いているスマホでも送受信ができます。電波が届かないほどの辺境の地に行くことは、めったにありませんが、夜に寝ている時間などにはチェックしません。

私用メールアドレスは非公開です。明治大学以外の複数のプロバイダのメールを公用としても使っていたこともありましたが、現在は解約したか、私用としてしか使っていません。ご面倒をおかけしますが、アドレス帳の変更など、よろしくお願いいたします。

郵便物

手紙や小包など、物理的な郵便物は、

〒101-8301 千代田区神田駿河台1-1 明治大学 駿河台校舎 研究棟 蛭川 立

宛にお送りください。本人が不在の時でも事務の人にチェックしてもらっています。

ここ五年ほどの間、四カ所の研究室を転々としてきましたが、和泉校舎、猿楽町校舎にあった研究室は、2011年度をもってすべて撤収しました。自宅住所は公開しておりません。自宅への郵便物の郵送が必要な場合は、お問い合わせいただければ、お知らせいたします。

電話・FAX・無線通信

研究室(221号室)の内線番号は2021ですが、室内に本人がいる確率はあまり高くありません。留守番電話機能もありません。

電話連絡は、情報コミュニケーション学部共同研究室

03-3296-2039(平日の昼間のみ)

にダイヤルして、伝言をお願いします。またFAXでの通信が必要な場合は、駿河台情報コミュニケーション学部事務室

03-3296-4351

まで、蛭川立宛と明記した上で、送信をお願いします。

ふだん携帯しているiPhoneがもっとも確実につながる端末ですが、番号は非公開です。必要な場合はお尋ねください。

携帯電話の普及に伴い、自宅の有線電話は解約しました。無線局JQ1NEDは更新せず廃止しました。

SNSなど

TwittermixiFacebook、LinkedInなど、いくつかのSNSに実名で登録しています。Twitterでブログの更新情報などを発信している以外は、もっぱら情報収集用です。メッセージ機能は、私的な、ちょっとしたやりとりにしか使っていません。きちんと文章を送受信するのには不便なものですから、具体的な用件は普通の電子メールにてお願いします。

SkypeとLINEのアカウントもありますが、非公開です。必要に応じて、お問い合わせいただければ、IDをお知らせいたします。

研究棟へのアクセス

研究室は、明治大学駿河台キャンパス研究棟二階の221号室です。原則として誰でも出入りできます。

私じしんが会場係として研究棟で研究会を行うことがありますが、会議室は同じ研究棟の建物内にあります。「心の科学の基礎論研究会」など、十人規模の研究会は研究棟の第8会議室で行うことが多いのですが、私の研究室と同じ二階にあります。

電車の最寄り駅は、JR・地下鉄丸ノ内線御茶ノ水駅、千代田線の新御茶ノ水駅都営地下鉄神保町駅です。駐車場(時間貸し)はリバティータワーの地下にあります。

明治大学駿河台キャンパスの建物群への行き方については、大学の公式サイトに「アクセスマップ」があります。しかし、研究棟がどこにあるのかは書いてありません。Googleマップにも書いてありません。

とある研究室のサイト上に、印刷可能な詳細な地図があります。ただし、ここ数年、校舎の建て替えが次々と行われていて、この地図と現状はすこし変わっています。

研究棟の二階以上が研究室になっており、二階に221号室があります。研究棟への入り口は主に三カ所あり、アクセスには四通りあるのですが、やや複雑です。リンク先の地図の順に従って書きます。

(1)リバティータワー(23階建、近隣で最も背の高い建物)に入り、三階に上がります。そこから渡り廊下を渡って、研究棟に行くことができますが、そこは研究棟の四階です。

(2)リバティータワーの一階を通り抜け、いったん外に出てから、研究棟一階の守衛室のある入り口に入ることができます。

その他のアクセス方法としては以下の二通りがあります。

(3)裏側の、金華公園側の道路から階段を昇って、研究棟一階の守衛室のある入り口に入ることもできます。道路から階段を昇ったところなのですが、そこが研究棟の一階になります。

(4)山の上ホテルの横の、木立の中の小径を歩いて行くと、守衛室のない、もう一つの入り口に入れます。地上から水平な道を辿った先ですが、研究棟に入るとそこは三階です。

さて、研究室へのもっとも確実なアクセスは、研究棟一階の守衛さんに行き先を告げ、内線で電話してもらうことです。しかし、「関係者」は守衛室の前を素通りすることもできます。研究棟三階の入り口には守衛さんはいません。代わりに「関係者」以外は立ち入ることを禁じる旨の看板が立っています。「関係者」を明確に定義することは困難ですが、いずれにしても、三階の入り口は、休日や深夜には閉まってしまいます。

実は、研究棟には、もう一つ、地下の秘密の通路があり、深夜や休日には、守衛さんの付き添いで、そこを通ることもできるのですが、ここでは、これ以上触れないことにします。

坂道の多い立地で、階数が複雑に入り組んでいるのですが、迷ってしまったら、メールやLINEで連絡をいただくか、携帯電話に電話してください。

研究室の設備

仕事上の打ち合わせや学生さんの少人数指導では、もっぱら研究室にお越しいただくことにしています。

近隣には喫茶店や食事処も多いのですが、研究室でお話をすることの利点は、研究関係の資料とネットに常時接続しているパソコンがあることと、周囲や時間を気にせずにゆっくり話ができることです。ただし、研究棟には無線のWi-Fiは飛んでいません。

飲食が必要な場合には、ご自由にお持ち込みください。冷凍冷蔵庫、電子レンジ、湯沸かし器、および簡単な食器を備えつけています。お持ち込みの飲食物を保存したり加熱したりできます。

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Escher, M. C. (1961). Waterfall.(ベルギー王立美術館にて購入したクリアファイル)

CE2013/03/09 JST 作成
CE2020/02/03 JST 最終更新
蛭川立

蛭川ゼミ紹介動画

2020年度より蛭川ゼミが復活します。まず、新3年生の募集にあわせて、明治大学情報コミュニケーション学部の「ゼミナール紹介動画」のページに、蛭川ゼミの紹介動画もアップされました。


蛭川立 問題分析ゼミナール

映像が作成されたのは2年前の2017年です。当時ゼミの3年生だった平井萠菜さんが、インドネシアのバリ島から現地調査の様子を生中継している様子を中心に作られています。

三年生のゼミのテーマを「人類学と意識研究」としておりますが、その二つの視点を織り込んでいます。

冒頭は、バリ島の憑依儀礼、サンギャン・ジャランです。男性に馬の霊が憑依し、火渡りが行われます。ギアニヤール県ボナ村で行われている観光用のパフォーマンスなのですが、観光化されているのにもかかわらず、当人は本当に解離トランス状態に入っています。これは、観光化が進んでも内容が失われないか、あるいはさらに発展するバリ島の儀礼文化の特徴です。そのことを、平井さんがLINEの通話機能を使ってレポートしています。場所は、ギアニヤール県プリアタン村の、ユリアティ・ハウスです。バリ島の伝統文化を研究する、とくに日本人の拠点になっている場所でもあります。

もちろん「馬の霊が憑依する」というのは、ひとつの文化的な解釈であって、その真偽は保留して、その意味を研究するのが、文化人類学の立場です。いっぽうで、本当に「霊」が「憑依」するのか、それが仮に幻覚・妄想であったとしても、どのような生理的なメカニズムで起こる体験なのかを研究するのが、意識研究・意識科学の立場です。



2019/10/27 JST 作成
2019/11/08 JST 最終更新
蛭川立

蛭川研究室関連文献・映像資料

このページは、以下の情報をまとめている。

  • 研究室にどの文献資料・映像資料が所蔵されているのか(あるいは所蔵されていないのか)
  • 関連する資料で、オンライン上で公開されている資料へのリンク
  • 幾ばくかでも読者の参考になればとの考えもあり、簡単な読書案内も併記している

もともとが蔵書整理のための備忘録なので、文献案内としての正確さを追求したものではない。なお、文中で「所蔵していない」と明記していないかぎり、言及されている文献は、すべて研究室に所蔵されている。

資料の配列は、おおよそ神話→宗教→哲学→科学と、また全世界→アジア→ヨーロッパと、西洋中心の進化主義的な順を追っているが、これは便宜的なものであって、優劣を論じようというものではない。

前半のほうはごく一般的な哲学・思想系古典の概観になっており、後に行くにしたがって、科学哲学、文化人類学、進化生物学など、より特化した文献のリストになっている。シャーマニズムと変性意識研究、超心理学論争、疑似科学懐疑主義など、蛭川の専門分野については、別のページにより詳細なリストを作成中である。

主要文献資料目録

  • 世界各地の文化一般
    • 神話・伝説
      • 名著普及協会『世界神話伝説大系』(全41巻+総索引)は出版年が古く、民族名などの出典が不明瞭であることなど、学術的な水準は高くないが、日本語で全世界を網羅している資料としては貴重。(希少で入手困難な)北西ヨーロッパなど一部を除いてほぼ全巻所蔵。
      • 『世界の民話』、『世界の怪奇民話』も全巻所蔵。
      • その他、青土社から出ている、世界各地の神話・伝説の概説書も、ほぼ全巻所蔵。
    • 美術
  • アジア、ヨーロッパ以外の地域文化
    • 『民族の世界史』は、すこし内容は古いが、世界各地の文化の概要を知るのに適している。
    • ヨーロッパ〜西アジア〜南アジア〜中国〜日本以外では、インドネシア・バリ島、オーストラリア先住民文化、メソアメリカ・アマゾン先住民文化などの文献を主に蒐集している。文化人類学一般については、別に下記にまとめている。
      • インドネシア・バリ島
        • バリ島の文化についての研究は多く、また日本語で読める文献が多い。「バリ文献目録」に文献目録がある。
      • オーストラリア先住民文化
        • 古典的なエスノグラフィーのほか、とくに先住民現代美術についての資料を収集している。
      • 中南米先住民文化
  • アジアの神話・宗教・思想・哲学・科学
    • 岩波講座・東洋思想[*1](全16巻)は、西アジア、インド、中国、日本の思想と宗教を網羅している。
    • 西アジアの宗教・思想・科学
      • ゾロアスター教
      • ユダヤ教キリスト教
        • 『聖書』
          • 『聖書』ほど(肯定的な文脈にせよ、否定的な文脈にせよ)とりわけ西洋思想において言及されてきた書物はない。日本語訳であればカトリックプロテスタントの「新共同訳」が標準とされているが、言葉だけ日本語に訳しても背景となる文化的文脈を知らなければ意味がとれない。その点では、新共同訳の中でも、文化的な背景も含めた注釈の多い『聖書スタディ版』を所蔵している。収録されている文献が異なるカトリック系の和訳聖書としてはフランシスコ会訳の『聖書 -原文校訂による口語訳』も所蔵している。
          • 後世の思想の中で引用されてきた文献としてとらえるならば、広く普及されているもののほうが参照しやすく、七十人訳聖書の位置づけなど、オリジナルのテキストについての文献学的研究には踏み込む必要はない。日本語への翻訳について、教会の解釈を離れて、できるだけ直訳にこだわった和訳としては、田川健三訳の新約聖書がある。詳細な注をつけた八巻本のほか、本文だけを簡単な注とともに一冊にまとめた『新約聖書 本文の訳』、さらに文字を小さくした携帯版が作品社より出版されている。
          • 格調高い文語訳も存在するが、とりわけ新約聖書のような口語的な語りの翻訳としては、かえって不自然に思われる。この点、舞台を東北地方の漁村にたとえ、役人には「標準語」を、商人には大阪方言を喋らせるといった設定の福音書ガリラヤのイエシュー』は、地域別のステレオタイプを助長しかねないとはいえ、語感を伝えるという意味では、すぐれた「超訳」といえるかもしれない。
          • 最終的には原語に当たるしかないのだが、ギリシア語の新訳聖書は所蔵しており、ヘブライ語聖書は所蔵していない。
          • 正典には採用されなかった外典等は講談社学術文庫から何冊かに分けて邦訳が出ている。
      • イスラーム
      • 中世アラビアの科学は、古代のギリシアと近代のヨーロッパを結ぶものとして重要ではあるが、邦訳されている資料は少ない。概説書としては、矢島祐利『アラビア科学史』、ジャカール『アラビア科学の歴史』、フッドボーイ『イスラームと科学』、伊東俊太郎『近代科学の源流』、三村太郎『天文学の誕生ーイスラーム文化の役割』等を所蔵。
    • インドの神話、宗教、哲学、科学
      • 神話と叙事詩
      • ヴェーダ
      • ウパニシャッド
      • 古代の諸学派
        • 諸学派を比較検討した『全哲学綱要』は、『中村元選集 第28巻第29巻』(春秋社)に訳注あり。
        • 六派哲学の主要経典の和訳をシンプルにまとめた一冊としては湯田豊バラモンの精神界』(鈴木書店)。春秋社の『中村元選集 第24〜27巻』は、主要な経典の和訳に解説がついている。なお同じ春秋社の、宮本啓一『シリーズ インド哲学への招待』は、大まかではあるが、入門用の解説書であり、また仏教中心の視点ではない点で、日本語の著作としては独特である。
      • 『バガヴァット・ギーター』
      • ヨーガ関連経典
        • 佐保田鶴治が『ヨーガ・スートラ』『ハタ・ヨーガ・プラディピカー』『ゲーラーダ・サンヒター』『シヴァ・サンヒター』の翻訳を行っており、前二者が『ヨーガ根本経典』に、後二者が『続・ヨーガ根本経典』におさめられている。『ヨーガ・スートラ』は、ヨーガ学派の基本経典であり、他にも邦訳が行われている。その古典ヨーガと、新しい時代に編纂されたハタ・ヨーガの文献は、思想としては分けて捉える必要がある。『ハタ・ヨーガ・プラディピカー』等についても新たな和訳が行われているようだが、未確認である。
      • ジャイナ教経典
      • 仏教経典
        • 仏教経典はきわめて大量である。漢文の大蔵経としては「SAT大正新脩大藏經テキストデータベース」がオンライン上で公開されている。
          • 初期仏教経典
            • Vipassana Research Instituteによるパーリ語経典が「Pali Tipikata」にアップされている。
            • 春秋社から『パーリ語三蔵』の「経蔵」に収められている原始仏教経典、『長部経典』『中部経典』『相応部経典』『増支部経典』の和訳が出版されており、その一部を所蔵。
            • 阿含経典』の翻訳が、ちくま学芸文庫に収録されている。
          • 大乗仏教経典
            • 大乗仏教経典はじつに様々な翻訳があるが(→「おすすめ仏教書、大乗仏典」)、中公文庫の『大乗仏典』を所蔵。平易な現代語訳で、コンパクトな文庫版でありながら、広い範囲の経典を網羅している。
          • 密教経典
            • 日本に伝わった『理趣経』『大日経』『金剛頂経』は文庫本を所蔵しているが、後期密教経典の邦訳は松永訳『秘密集会タントラ』だけである。同じ松永による解説書である『インド後期密教』(上下巻)は所蔵している。
          • なお、禅仏教については、中国文化と日本文化の後ろにまとめている。
      • トリ・ヴァルガ
        • 実利論
          • 『アルタ・シャーストラ』の翻訳として岩波文庫の『実利論』を所蔵。
        • 性愛論
          • 東洋文庫の『カーマ・スートラ』はサンスクリット原典からの翻訳で、角川文庫に収録されているほうは、英訳された「バートン版」からの重訳である。
            • 『インド古代性典集』には『カーマ・スートラ』以外に『ラティマンジャリー』『ラティラハスヤ』『アナンガランガ』の和訳も収められている。
        • 法典
          • 代表的なものに『マヌ法典』と『ヤージュニャヴァルキヤ法典』があり、東洋文庫から翻訳が出ている。岩波文庫の『マヌの法典』は英訳からの重訳である。いずれも所蔵していない。
      • インドの科学
        • 「科学の名著」におさめられている『インドの数学・天文学』を所蔵。
        • インドの二大医学書としては、『チャラカ・サンヒター』と『スシュルタ・サンヒター』があり、おおよそ内科と外科に対応している。前者も後者も抄訳が二種類ずつ出版されている。英訳がオンラインで読めるはずだが、未確認。「科学の名著」の一巻として訳出されている。
    • 中国(漢民族)の思想
      • 中国の神話
      • 古代中国の思想と文学
        • 中国の思想に関しては、『新釈漢文大系』(全120巻+別巻1、明治書院)および姉妹編の『新編漢文選』(全10巻)が、収録されている書物が多く、かつ白文、訓読、和訳、註釈、解説が併記されているという点では随一である。この明治書院の総計130巻におよぶ大系は実に半世紀以上もかけて西暦2018年に完結した。これは文学よりも学問が主で、詩歌の方面が十分でなかったゆえか、それを補うように、杜甫李白から順に、詩人分野の全12巻の出版が始まっている。
        • 集英社の『全釈漢文大系』は全33巻のみで、収録されているのは儒学を中心とした書物が中心である。これは学習研究社の『中国の古典』(やはり全33巻)も同様である。これらの二大系は収蔵していない。
        • 明徳出版社の『中国古典新書』は全100巻で、医学書なども含め、非常に広い分野を網羅している。本のサイズがコンパクトであるいっぽう、収録されている書物の多くが抄録にとどまっている。『五行大義』と『茶経』を所蔵。
        • 文学については余談になるが、平凡社の『中国古典文学大系』(全60巻)は、古典的思想よりも『水滸伝』や『三国志演義』など、新しい時代の文学も多く収録している。ただし現代語訳のみである。これは所蔵していない。
        • さらに漢詩に特化した大系としては、集英社の『漢詩大系』(全24巻)があり、これは全巻を収蔵。絹の着物(の上に、さらにレインコートを着せたような)装丁の外見と感触に味わいがある。
        • 多くの漢籍は各社より手頃な文庫本としても出版されているが、その個々の書物については、ここでは詳述しない。ただし、思想と詩歌の選集としては『中国古典選』(全38巻、朝日文庫)が、儒学老荘の基本文献と主要な漢詩に限られてはいるが、ひととおりの主要文献を網羅しており、かつ、文庫サイズで原文、和訳、解説が併記されている点で他に類を見ない。これは全巻所蔵。
      • 中国の科学・医学
        • 日本語訳として一般に入手しやすい文献集としては、朝日出版社の『科学の名著(2)中国天文学・数学集』を所蔵。五種の科学書を収録しているが、読み下し文のみで、白文は載っていない。大半のページが割かれている魏の劉徽註『九章算術』の原文と日本語による解説、大川俊隆「『九章算術』訳注稿」がオンライン上で公開されている。『黄帝内経』は全巻揃。その他研究書としてはニーダムの『中国の科学と文明』(思索社)を全巻所蔵。
      • 中国語の辞典
        • 漢和辞典・中日辞典
          • すでにオンライン上の辞書が充実している中で、敢えて紙の辞書を揃えるなら、白川静の字典など、象形文字の生い立ちなどを読んで学べるものは良いかもしれない。もっとも、シニフィアンシニフィエの対応恣意性という言語学的な知見を軽視し、象形文字に呪術的な意味を読み取りすぎるという批判もある。
          • 紙媒体の辞書の場合、とくに現代中国語の場合は、日本語の音読みで引けるものが重宝する。研究室には『五十音引き中国語辞典』を所蔵しているが、これは卓抜な発想で、2014年には、講談社学術文庫にも収録された。
        • 故事成語
          • 辞典に準ずるものとして、中国の古典に由来する故事成語については、三省堂『中国故事成語辞典』(これは姉妹編である『名歌名句辞典』とセットになっている)など、同じ主旨の辞典がいくつか出版されている。収録句数は少ないが、オンライン上にはフリーの「故事成語大辞典」がある。
    • 日本の神話・宗教・思想
      • 神話・伝説
        • 古代の神話・説話については「日本古典文学」を参照のこと。
        • 近現代まで語り継がれてきた地域ごとの伝説の集成としては『日本伝説大系』があり、北海道、沖縄を中心に数冊を所蔵。
      • 美術
        • 日本の美術については『日本美術全集』(全24巻、講談社、1990〜1994年)、『日本美術全集』(全25巻、学研)『原色日本の美術』(全30巻、小学館、1966〜1994年)といった美術全集があり、幅広い時代を扱っている。
        • 日本美術全集』(全20巻、小学館、1996年〜)は縄文から始まるが近現代の比重が大きい。
        • 『人間の美術』(全10巻、学研、1989〜1991年)は、梅原猛らの自由自在な解説が面白い。
        • 縄文時代から古墳時代に特化したものとして、いずれも講談社から1970年代に『日本原始美術大系』(全6巻、講談社、1977〜1978年)、『日本の原始美術』(講談社、全10巻、1979年)が出版されている。
        • 美術全集というよりは、考古学的な出土品の集成として、やはり講談社の『古代史発掘』(全10巻、講談社、1973〜1975年)があり、旧石器時代から奈良時代ぐらいまでを扱っている。この増補改訂版に相当するのがやはり同じ講談社から出版された『歴史発掘』(全13巻、講談社、1996〜1998年)である。
        • 研究室では、これらのうち、縄文〜古代と、禅美術あたりだけを蒐集している。なお「日本美術全集」(Asian Art Watch)に日本美術の全集のリストがある。
      • 近世までの日本の思想は『日本の名著』や『日本思想大系』におさめられており、それらの大半を収蔵。
        • 道元
          • 正法眼蔵』はとりわけ長大な書物である。これはまず手軽な文庫版と思って最初に水野弥穂子校注『正法眼蔵』(岩波書店、全4巻)を入手してみたところが、原文と注だけで、七十五巻本と十二巻本を併せて4冊。現代語訳がないかと探して石井恭二訳『正法眼蔵』(河出文庫、全5巻)を購入。二度手間になってしまった。原文と現代語訳が併記されているものもあるので、そのほうが読みやすいだろう。ただし訳文が比較できるだけの知識はない。
      • 日本語の辞書
        • 古語辞典は多数出版されているが、たとえば上代特殊仮名遣いを区別しているのは、『岩波古語辞典』と、高校生向けで、二色刷の本文とカラー図版の資料も付属したものとしては『ベネッセ古語辞典』などがある。
        • 沖縄方言の辞書として本格的なものには、国立国語研究所の『沖縄語辞典』や『琉球語辞典』がある。いずれも首里方言を基準としている。
        • 関西方言のうち、大阪方言については、面白おかしい語彙集のようなものは多々あれ、辞書としては牧村史陽『大阪ことば事典』が随一である。語彙数も多く、アクセント記号もついている。コメディアンの言語として面白おかしく編集された語彙集のようなものが多い中で、船場の言葉を基準としつつ、古典からの引用も多く、谷崎のようなネイティブではない文献の誤りまで指摘している緻密さである。しかも講談社学術文庫から廉価で再版されている。かんじんの京都方言のほうは、これほど手頃で充実したものがない。手頃なものとしては井之口有一『京ことば辞典』を所蔵。
    • 禅の思想と「京都学派」
      • 仏教はインドで始まったものだが、禅仏教は中国で形成され、さらに日本で発展したもので、その思想は両文化圏にまたがっている。
      • 総じて禅僧たちは体系的な書物を残さなかったが、中国の禅僧たちの言葉は筑摩書房禅の語録』全20巻22冊(うち13巻を収蔵[*3])、日本の禅僧たちの言葉は講談社『日本の禅語録』全20巻(うち11、14、16巻を除く17巻を収蔵)にまとめられている。
      • その他、茶席の禅語集を少々所蔵。
      • 禅の思想を背景にしつつ、日本独自の哲学を構築していった、いわゆる「京都学派」の哲学については、主要な学者とその主要な著作が、燈影舎の『京都哲学選書』(全30巻)にまとめられている。
      • 筆頭たる西田幾多郎だけは別格のようで、その著作は『京都哲学選書』には収められておらず、同じ燈影舎の『西田哲学選集』(全7巻・別巻2)としてまとめられている。研究室にはこの選集を所蔵している。すべての著作を網羅した『西田幾多郎全集』は岩波書店から刊行されている。これは、旧版が全19巻で、その後新版全22巻が出版された。研究室では選集のみを所蔵しており、全集は所蔵していない。「西田幾多郎著作関係年表」に、西田の著作が年代順に並べられている。主要な著作は青空文庫でも公開されている[*4]
      • 西田哲学は文献解釈偏重ではなく参禅等による直接経験を重視しているという点で独自と言われるが、正直なところ読みづらい。もっと実直で闊達な禅者の語りとしては、『久松真一著作集』(理想社、全8巻)と『鈴木大拙全集』(岩波書店、全30巻・別巻2)[*5]を揃えている。その後テキストを新字体・新仮名遣いに改め再整理した『増補 久松真一全集』(宝蔵館、全10巻)と『増補新版 鈴木大拙全集』(岩波書店、全40巻)も出版されたが、いずれも収蔵していない。こういう老師たちの言葉は、赤茶けた古書に印刷された旧字体・旧仮名遣いで読んだほうが味わい深いというのも事実ではある。また春秋社からは『鈴木大拙選集』も出版されている。
      • 西洋に禅文化を伝えた僧たちとしてはもうひとりの鈴木、鈴木俊隆の『Zen Mind, Beginner's Mind』も忘れてはならない。この名著の逆翻訳はいちどPHPより出版され、その後サンガから新版が出ている。
      • 先駆的怪僧、佐々木指月にまで遡ると、主要著作は国立国会図書館デジタルコレクションで読むことができる。ただし、データは書影のままでありテキスト化はされていない。伏せ字もそのままで判読不能である。たとえば『金と女から見た米國米國人』は研究室にも所蔵しているが、デジタルコレクションでも同様に、「アリスタア、クローリイ」との交流を描いた箇所など、二ページ分がすべて伏せ字になっており、原文を復元する妄想さえも拒むものである。研究室には曹溪庵名義による臨済録の英訳『Three Hundred Mile Tiger』も所蔵している。四角四面の漢文経由ではなく、米国口語で臨済将軍の喝を聞くことができる。
    • なお、日本人でアジアの宗教文化を比較文化的に研究した人物として中村元井筒俊彦の二人を挙げることができる。『中村元選集(決定版)』(春秋社、全32巻・別巻8)のうち、主に仏教以外のインド哲学や比較思想の巻を所蔵しており、また『井筒俊彦著作集』[*6]の全巻を収蔵。その後『井筒俊彦全集』も出版されたが、こちらは所蔵していない。
  • ヨーロッパの哲学・思想
    • 古代ギリシア・ローマの哲学
    • 西欧近現代思想
      • デカルト
      • パスカル
        • パスカルの邦訳著作集には、人文書院の『パスカル全集』全三巻(1959年)、教文館の田辺保訳『パスカル著作集』(全7巻+別巻2巻、1982-1984年、配給元は日本キリスト教書販売)があり、続いて1993年に白水社から『メナール版パスカル全集』が全6巻の予定で順次公刊が始まったが、現在、本論に入る前の2巻までで出版が止まっているようである。研究室には『パスカル著作集』を全巻揃えている。
        • 主著である『パンセ』には、原書の編集の仕方による違いがあり、かつ、それぞれの和訳が多数出版されている。これらの比較については、あらためて別に記したい。
        • パスカルは自然科学の方面でも研究を行っており、圧力の単位にも名を残しているが、この方面の論文は全集・著作集におさめられているほか、ちくま学芸文庫パスカル数学論文集』や岩波文庫の『科学論文集』などが文庫として出版されている。
        • 翻訳事情の詳細については河野(2005)[*8]を参照のこと。
      • ヒューム
        • 『宗教の自然史—-ヒューム宗教論集』(全2巻)『奇蹟論・迷信論・自殺論』を所蔵。『人性論』は岩波文庫から4巻で出版されたが、翻訳は古い。第一編の「知性について」だけが青空文庫で公開されるようになった。その後『人間本性論』という新訳が全三巻で出版されたが、高価なハードカバーであり、あらためて普及版がつくられ、これは第二巻まで公刊されている。また抄訳がコンパクトな中公クラシックスの一冊として出版されている。元々の著作が二十年もかけて執筆されたもので、内容に重複が多く冗長であり、抄訳のほうがわかりやすいともいわれる。
      • カント
        • 『カント全集』には理想社版と、岩波書店版があるが、研究室では、岩波書店の『カント全集』(全23巻・別館)を収蔵している。
          • 光文社新訳古典選書の『純粋理性批判』と『実践理性批判』も所蔵。その他の主要著作の翻訳も各社から文庫で出版されており、何冊かが研究室に埋もれれいる。
      • ヘーゲル
        • ヘーゲル日本語文献目録(1879-2009)」に著作の邦訳、解説書や研究論文のリストがある。
        • ヘーゲルの和訳が盛んに行われたのは日本でマルクスなどが「流行」した時代のことかと思いきや、1931年に刊行が始まった岩波書店の『ヘーゲル全集』[*9]全32巻[*10]が完結したのは、じつに2001年のことだという。この間、『大論理学』などは、改訳が行われたり、旧字体新字体に置き換えられたりした。(岩波の全集は今でも学術論文に引用されることがあるが、この場合は旧字体新字体に改めて引用するという慣習もある。独逸の碩学の語りは旧字体のほうが似合うような気もするが、翻訳である以上、本質的な問題ではない。しかし、訳者が原稿用紙に手書きで書いた文字を、意味は同じでも違う文字に置き換えてしまう必要性はない、ともいえる。)研究室には、金子武蔵訳の『精神の現象学』と、竹内武人の「改譯」による『大論理學』を所蔵するのみ。
        • 2019年からは知泉書館が新たな『ヘーゲル全集』全19巻を刊行開始している。また作品社からも新たな翻訳の出版が始まっている。平易な意訳で読みやすくなったが、学術的な厳密さを欠いているという批判もある。
      • フーリエ
      • マルクス・エンゲルス
        • マルクスエンゲルスの著作は、なにより19世紀西欧における科学史、社会思想史としての意味を持っているのであり、それと、後にマルクス主義の旗の下に行われた政治運動とは、また別個の問題である。思想を流行として消費し、時代遅れになれば邪魔者扱いするのは、賢明なことではない。「死せるすべての世代の伝統が夢魔のように生けるものの頭脳を押さえつけている」云々というが、そのマルクス思想をまた夢魔とみなして思考の金縛りを起こすことは賢明なことではないのである。
        • マルクス・エンゲルスのもっとも包括的な和訳は、大月書店の『マルクス=エンゲルス全集』である。旧東ドイツドイツ社会主義統一党中央委員会付属マルクスレーニン主義研究所(Institut für Marxismus-Leninismus beim Zentralkomitee der SED)の編纂によるディーツ版全41巻に別巻等々を加えて53巻を全訳したというラインナップだが、現在は電子書籍・オンライン版として再版されている。研究室には紙媒体の本編のみ41巻を所蔵している[*11]電子書籍の良いところは、空間的な置場に困らないということと、キーワード検索が可能だということであるが、この検索については、上記、大月書店のオンライン版のサイトで、無料で使用することができる。また全巻の目次は目次のサイトで閲覧できる。Wikipediaの「Marx-Engels-Werke」にも全集に収められた著作のリストがある。
        • マルクス・エンゲルスの主著である『資本論』には多数の翻訳があり、訳語や文体にも異同がある[*12]。研究室では、上記マルクスエンゲルス全集におさめられているものの他に、文体は晦渋ながら学術的には厳密という評判を聞いた長谷部訳(これも文献学的には、日本評論社、青木書店、角川書店を経て河出書房の『世界の大思想』に収録される過程で、若干の語句が修正されたという経緯があるらしい。)と、筑摩書房の『マルクス・コレクション』に収められている第一部を所蔵している。近年になって編纂された『マルクス・コレクション』は、教条的な政治運動の聖典というイメージを払拭し、歴史的な思想として再検討すべく、「共産主義」を「コミューン主義」とするなど、馴染み深い訳語を敢えて変えることで、清新さを打ち出そうとしている。岩波書店、大月書店の訳書は、訳者が重複しているなどの複雑な事情があるらしいが、いずれも標準的な翻訳とされている。新日本出版社の邦訳は訳注が充実しているが、特定の党派的見解に偏っているという意見もあるらしい。
        • その他、マルクスの単著、マルクス・エンゲルスの共著については、岩波書店、大月書店、新日本出版社などから廉価な文庫本が出版されている。
      • ヴェーバー
      • ニーチェ
      • バタイユ
        • 二見書房の『ジョルジュ・バタイユ著作集』を全巻揃えている。その他、代表作の翻訳、解説書を数冊所属している。
      • フッサール
      • ハイデガー
        • 主著『存在と時間』にはいくつかの翻訳があるが、ちくま学芸文庫の『存在と時間』全2巻を所属。光文社からは,入門書に相当するほど詳細な訳注がある8巻本が刊行中であり、順次、収集中。それ以外の著書の蔵書はない。
      • メルロ=ポンティ
        • 『知覚の現象学』はみすず書房から2巻組で訳出された後、叢書ウニベルシタスからも出版。
        • シーニュ』もみすず書房から2巻組で訳出。
        • 叢書ウニベルシタスからは『見えるものと見えざるもの』という邦題で、みすず書房からは『見えるものと見えないもの』という邦題で翻訳が出ている。
      • ジェイムズ
        • 日本教文社の『ウィリアム・ジェームズ著作集』全巻と、文庫化された主要著作を収蔵。原文の『William James: Writings』上下巻も収蔵。
      • ベルクソン
      • エリアーデ
        • エリアーデ著作集』全13巻、『世界宗教史』全8巻など、小説、日記以外の著作物の邦訳はほぼ収蔵。
      • サルトル
        • サルトル全集』に収められている主要著作と、単行本として再版された数点を所蔵。
      • フーコー
      • ゴッフマン
      • 現代思想・思想家別解説書)
      • 欧和辞典
        • 英和辞典については、あまりにも多数ありすぎるが、長らく使用してきたのは、研究社のの英和辞典である。独和辞典については小学館の『独和大辞典』、仏和辞典についてはやはり小学館の『小学館ロベール仏和大辞典』がひとつの標準である(と言われている)。独和大辞典のほうは縮刷版も出版されている。
      • 総じて、学術書を読み解く場合、哲学系の場合は、ギリシア語やラテン語などの語源が明記されていると語義の理解が深まる。科学系の場合は、とくに技術用語など、新語が載っているものが役に立つ。
      • ラテン語の手頃な中辞典としては『羅和辞典』がある。古代ギリシア語については、日本語の手頃な辞典はない。
      • 会話の助けとする場合は(日常会話を聴いて理解するために、そしてそれを自分が口にしても良いものかどうかを知っておくためにも)卑語や俗語が多いものが重宝する。
      • スペイン語ポルトガル語などは、もっぱら読むためというよりは、会話のために使うことが多い。この場合、旧植民地で使われている独特の言葉が収録されているかどうかにも注意する必要がある。
      • 英語を中心としてみた場合には、欧和辞典よりも、欧英辞典のほうが選択肢が多い。同系統の言語であるから、意味も理解しやすい。これは、サンスクリットなど、インド系の言語でも同じである。
    • 科学史・科学哲学
    • 心理学・精神医学
      • 『臨床精神医学講座』は、やや内容は古いが、おおよそ所蔵。
      • ヤスパース
        • みすず書房より刊行されている『精神病理学原論』は1913年に出版された『Allgemeine Psychopathologie』の初版の翻訳である。1923年に出版された第七版の翻訳は岩波書店から『精神病理学総論』(全3巻)という邦題で出版されたが、現在は絶版である。『新版・精神病理学総論』はその抄訳である(所蔵していない)。題名が似ているが『精神病理学研究』(上下巻、みすず書房)は、ヤスパースが哲学に関心を移す前の論文集である。
        • ヤスパースの哲学関連の著書は、おおよそ『ヤスパース選集』(全37巻、理想社)におさめられている。『哲学』『哲学入門』は選集には入っていないが、邦訳が出版されている。『歴史の起源と目標』『哲学の小さな学校』は、『世界の大思想(Ⅱ-12)ヤスパース』にも収録されている。
      • その他、精神病理学関連では、クレペリンの教科書は全巻、ミンコフスキー、ビンスワンガー、ブランケンブルグ、シュナイダー、木村敏、テレンバッハ等の著作を収蔵、整理中。
      • フロイト
        • フロイトの和訳の全集・選集には、主に三種類ある。
          • 『フロイド選集』(日本教文社)は、全17巻のうち、5巻、6巻のみ収蔵。
          • フロイト著作集』(人文書院)は、全11巻すべてを収蔵。
          • フロイト全集』(岩波書店)は、全22巻のうち、4、8、10、17、18、22巻以外を所蔵。訳語として定着している「リビドー」が「リビード」に、「快感原則」が「快原理」に変わっていたりと、すこし戸惑うところもある。この最新の『フロイト全集』はフィッシャー版の全訳で、すべての著作を年代順におさめているかというと、初期の著作と書簡は含まれていない。コカイン研究の論文はなぜかフィッシャー版のペーパーバックのほうには収められており、廉価という理由もあって、研究室ではペーパーバック版を全巻所蔵している。
          • 人文書院の『フロイト著作集』は8巻が書簡集になっているが、『フロイト全集』には書簡集はない。
          • その他、個々の重要な著作については様々な翻訳が出版されており、その一部も所蔵している。
      • ライヒ
        • ライヒ著作集』ほか、主要な著作で和訳があるものを収蔵。
      • ユング
        • ユングの著作は『Der Psychologische Club Zürich』にリストアップされており、ここに挙げられているドイツ語版全集は数冊所蔵している。和訳については、フロイト全集のような包括的な全集はまだなく、日本教文社の『ユング著作集』や人文書院の『ユング・コレクション』などが選集として出版されている。
        • 随所に和訳されている著作とドイツ語版全集の対応関係についてのWEBサイトがあり、この目録に載っている邦訳はすべて所蔵しているが、このサイトは現在閲覧できなくなってしまった。最近になって公刊、和訳された『赤の書』や、パウリとの往復書簡などは、この目録には載っていない。
        • 『赤の書』の日本語訳は、それなりに高価であることもあり、購入していない。もし眺めて愉しむのであれば、ドイツ語版を購入するほうが安上がりであり、しかも絵だけではなく文字のカリグラフィーも味わえる。ドイツ語が読めない、日本語しか読めない、という向きには(私もそうだが)テキストだけを和訳した『赤の書』が出版されており、これとドイツ語版原書をセットで揃え、並べて読むのが良い。
        • 価格ゆえに購入していない和訳に『ヴィジョン・セミナー』(明治大学和泉図書館書庫に収蔵)があるが、これは原版が英語である。ドイツ語よりも英語のほうが敷居が低いのであれば、英語版ならばリーズナブルである。
        • ユングも参加したエラノス会議の記録である『エラノス叢書』は数冊所蔵。
      • 河合隼雄
        • ユングを日本語でもっとも包括的に紹介したのは河合隼雄であり、『河合隼雄コレクション』を含め、ほぼすべての著作を所蔵している。編纂が進行している『河合隼雄全集』は、所蔵していない。湯浅泰雄の著作はほぼすべて所蔵。
        • その他、秋山さと子、福島哲夫がユングについて解説した書物もほぼすべて所蔵している。福島の解説書は学術書というよりは一般向けだが、河合隼雄があまり触れなかった、ユングのオカルト的な部分も取り扱っている。
      • よりトランスパーソナル心理学に近い著者としては、ミンデル、ケン・ウィルバーの著書を、おおよそ収蔵。
      • 心霊研究・超心理学懐疑主義、意識研究にかんするコレクションについては、別のページにまとめる予定。
    • 現代美術
      • シュルレアリスムを中心とする現代美術関連資料についても、別のページにまとめる予定。
    • 人類学(とくに心理人類学・宗教人類学)
    • 生物学(とくに進化生物学)
      • 『講座 進化』(東京大学出版界)、『シリーズ進化学』(岩波書店)は全巻所蔵。
      • ラマルク
        • 「科学の名著」におさめられた『動物哲学』の和訳を所蔵。『科学の名著』全体では(第Ⅰ期・全10巻、第Ⅱ期・全10巻)朝日出版社(第Ⅰ期・全巻所蔵、第Ⅱ期・数巻所蔵)
      • ダーウィン
        • ダーウィンの著作はすべて「Darwin Online」にアップされている。また「ダーウィン 邦訳一覧」に日本語訳の一覧がある。
        • 種の起源』は地味な博物学の書であるのにもかかわらず、進歩的社会思想と結びつけられたせいか、戦前より大杉栄などによる多数の翻訳がなされてきた。岩波文庫の1990年の改訂版では、初版を底本としつつも、その後の改訂の異同が注記されている。光文社新訳古典文庫版も初版を底本としているが、原文の慎重で回りくどい表現を平易な日本語に置きかえている。
        • 1999年から刊行が始まった『ダーウィン著作集』は、途中で刊行が止まってしまったようだが、しばらくは「世界の名著」の抄訳しか読めなかった『人間の起源と性淘汰』の完訳が出版されたことの意義は大きい。
        • 『人及び動物の表情について』は岩波文庫の和訳のみを収蔵。
      • ドーキンス
        • 生物学関連の著作の邦訳は日高敏隆らによる『生物=生存機械論』以来、すべて揃えているが、近年の宗教批判についての著作は所蔵していないものもある。
      • 日高敏隆
      • 今西錦司
    • 天文学天文学
    • 物理学(とくに理論物理学の哲学的背景)

付記

リストに挙げた文献の多くが日本語の著作である。日本語であることの第一の理由は、これを書いている蛭川じしんが日本語以外の言語に通じていないという理由からであり、またこのリスト自体が、日本語を第一言語とする読者に向けて書かれているからでもある。

加えて、日本の翻訳文化の水準は高度であり、訳書につけられた訳註や解説は、原書そのものよりも情報量が多い。上記のリストを概観すると、人類の哲学や科学の多くは西欧近代文明に負うところが大きいことがよくわかるが、同時に、かつては中華世界の文物を、そして明治期以降は西洋で発明されたものをうまく取り入れて改良することに長けてきた日本文化もまた、文化史の中で独特の意味を持っているといえよう。

もっとも、古典それ自体は昔に書かれたものであり、著作権が切れていることがふつうだから、その多くはオンラインでアクセスできるようになっている。そのリンク先は、気づいたものについては上記に書き加えておいた。

他言語や古文で書かれた文献の翻訳については、複数の訳がある場合、翻訳の良し悪しが議論されることが多いようだが、翻訳はあくまでも翻訳であって、このリストでは、むしろ注釈が充実しているかどうかのほうに力点を置いて比較している。

古典を所蔵することについて

研究室の図書が天井にまで達する書棚より溢れかえるほどに増えてくるほどに、図書館に収蔵されているような一般的な古典や全集を、研究室に置いておく必要があるだろうか、とも考える。

論文を読んだりエッセイを書いていたりすると、どうしても古典の原典に戻ってチェックしなければならないことが多い。研究室でゼミや議論をしているときにも、そういう必要性は多々生じる。研究を進めていくにあたって、何度も参照する必要のある分野の著作は、やはり手近にあると便利ではある。だから、図書館に行けば借りられるような文献についても、ある程度は買いそろえてある。

たとえばある論文に、フロイトの「夢とテレパシー」への言及があったとする。正確に研究するためには、引用元の「夢とテレパシー」をチェックしなければならない。しかし、それは『フロイト著作集』には収録されていないとか、『フロイト全集』のほうには収録されているとか、第何巻に収録されているのか等々、それがわからなければ、図書館に行って本を借りることもできない。こうした情報をすべて記憶しているわけではないので、ことに全集・選集の類いについては、このページから、収録されている著作のリストへのリンクを貼ることによって、自分自身の備忘録としているわけである。

私は文献学者ではないので、蒐集している古典や全集のたぐいの、どれひとつとして通読しているわけでもないし、読破するために所蔵しているのでもない。じっさいに目を通したのは全体の一部分であり、読んだ部分に限っても、その内容を正しく理解しているかどうかには自身がない。

けれどもアリストテレスやら四書五経やら、先哲の思索の集成は、研究室に置いておくだけでも賢くなったような錯覚にもおそわれる。日高敏隆先生など、師事した故人の全集を並べておくだけでも、ときに先生に見守られ、ときに叱咤されているような気持ちにもなる。世界思想全集のたぐいを書棚にずらりと並べて知的なインテリアとする人も少なくないと聞く。いっそ、函だけで中身の本は無い愛蔵版という商品を開発すれば、廉価でかつ重量もとらないので、かなりの売れ筋になるのではないか、と皮肉なことさえ考えたくなる。

手を伸ばせば届くところに並べておいて、何度も手に取って読み返したい、そういう著作もある。ニーチェの遺稿や禅語など、折に触れて適当にページをめくっていると、一喝を喰らってハッとさせられるような、そんな辛口の警句に出会うことがある。

正直に告白すれば、日本人の一般教養とされる『源氏物語』でさえ、長大な割には展開が退屈に感じられ、現代語訳でも通読したこともないのだが、これがまた適当なページを開いて斜め読みするだけで、その情景描写の細やかさに引き込まれ、その光景や、あるいは匂いまでも感じられるような、そんな白日夢が眼前に展開することもある。

漢詩や和歌などは学校の国語の授業で、訳もわからずに暗記させられたこともしばしばであるが、年齢を経るごとに味わいも深まってきた、などというと年寄りじみているが、あるいは文化人類学や脳神経科学など、異質な分野の研究に親しむほどに、婚姻の規則や色彩の知覚など、立体的な視点から再解釈する面白味も増してくるものである。



記述の自己評価 ★★★☆☆
(基本文献の整理のための覚書であって、専門的な立場からの文献案内ではない。)
2019/06/19 JST 作成
2019/10/16 JST 最終更新
蛭川立

*1:古本じざい屋「『岩波講座・東洋思想』」『古本じざい屋 超文科系古本目録

*2:詩経』は上中下三巻のうち中巻のみ所蔵。集英社漢詩大系『詩経』は上下巻揃。『易経』は上中下三巻のうち下巻が欠。朝日文庫岩波文庫の『易経』上下巻は収蔵。

*3:(1)『達磨の語録』(2)『初期の禅史Ⅰ』(3)『初期の禅史Ⅱ』(4)『六祖壇経』(6)『頓悟要門』(7)『龐居士語録』(9)『禅源諸詮集都序』(10)『臨済録』(11)『趙州録』(13)『寒山詩』(16)『信心銘・証道歌・十牛図坐禅儀』(17)『大慧書』(18)『無門関』

*4:作家別作品リスト:No.182青空文庫)」

*5:鈴木大拙

*6:井筒俊彦著作集の目次

*7:岩波書店の『ソクラテス以前哲学者断片集』は、「ディールス=クランツ版」の全訳で、こちらを全巻揃。ちくま学芸文庫の『初期ギリシア自然哲学者断片集』は、重要な哲学者を厳選した抄訳である。

*8:常套句「考える葦」が生まれた背景と経緯

*9:ヘーゲル著作

*10:「ヘーゲル全集」収録作品リスト」に岩波版『ヘーゲル全集』の各巻と、各々の著作『精神現象学』(4〜5巻)『大論理学』(6a〜8巻)『エンチクロペディー』(『小論理学』『自然哲学』『精神哲学』)『法哲学』と講義録(『歴史哲学』『哲学史』『宗教哲学』『美学』)との対応表がある。

*11:紙媒体の書籍のほうは「死せる世代の」の手を離れた古書が1〜2万円と、無産階級の給与所得でも手が届きそうな価格で市場に流通している。研究室の全41巻は、さる老学究先生のご厚意により二千円でお譲りいただいたものである。

*12:資本論ワールド編集委員会 (2016).「資本論翻訳問題」『資本論ワールド』には、主要な邦訳の中で、原書のキーワードがどのような日本語に訳されているのかについての一覧表がある。

*13:アンリ・ベルグソン

*14:「ベルクソン全集」収録作品リスト

*15:De_Lorean (2015).「フーコーコレクション 目次一覧」『自由帳』

*16:日高敏隆選集

世界の美術全集

先史・古代を主とした美術全集

『世界の大遺跡』(全13巻、講談社)は考古学的な美術に特化した美術全集である。

『新潮古代美術館』(全14巻、新潮社)は、東西の古代文明の美術を網羅している。日本の原始美術・古代美術も含まれている。ただし1970年代の刊行であり、やや印刷状態が悪い。

現代美術まで含めた古今東西の美術

世界美術全集のたぐいは多数出版されているが、研究室のお気に入りは『世界美術全集』(小学館)である。1990年代の刊行であり、図版が美しい。

これは西洋編(全28巻+別巻)と東洋編(全17巻+別巻)の二系列からなる。西洋編の大半はヨーロッパの近現代美術であるが、石器時代の洞窟壁画や中南米の先住民美術などもカバーしており、扱っている範囲は広い。

パソコンのモニタで、さらにはVRで美術鑑賞や遺跡訪問さえできる時代にはなったが、しかし手に取って眺めることのできる紙の書籍も良いものである。

美術全集が扱う地域と時代

上記に挙げた四種類の美術全集が扱う地域と時代については、おおよそ以下の表のとおり。

地域・時代 遺跡 古代 東洋 西洋
近現代ヨーロッパ 8-28
中世ヨーロッパ 6-7
古代ローマ 6 5 5
古代ギリシア 5 4 3-4
イスラーム世界 17
古代エジプト 2 3 2
メソポタミア 3-4 1 16
ペルシア 4 2 16
中央アジア 7 15
インド 8 9 13-14
東南アジア 12 12
中国 9 10 1-9
朝鮮 10 11 10-11
日本 11 12-13
中南米 13 14 1
先史時代一般 1 10 1

「遺跡」=『世界の大遺跡』
「古代」=『新潮古代美術館』
「東洋」=『世界美術大全集 東洋編』
「西洋」=『世界美術大全集 西洋編』



2019/09/14 JST 作成
2019/09/16 JST 最終更新
蛭川立