蛭川研究室

蛭川立の研究と明治大学での講義・ゼミの関連情報

「不思議現象の心理学」2024/04/15 講義ノート

講義日程とブログへの記事を補足する講義用のメモです。記事へのリンクが交錯してしまっていますが、それを整理するためのメモでもあります。

「不思議現象」というのは石川幹人先生から引き継いだお題ですが、超常現象とか、超心理現象とかいう意味合いです。まず最初に、わかりやすい「超能力」の例として「スプーン曲げ」をとりあげます。

ブログ内記事では「スプーン曲げ騒動」を見てください。

「スプーン曲げ」は「念力」なのかトリックなのか?というセンセーショナルな議論がありました。念力など科学的にありえないかというと、そうは言えません。科学は論理的・実証的な手続きですから、念力でスプーンが曲がったとしても、そういう現象が客観的に観察されれば、それは科学の研究対象になります。

「念力」ではなく「筋力」でスプーンを曲げることもできますし、マジックで再現することも、けっこう簡単です。しかし、論理的には「トリックでスプーンを曲げることができる」ことは「すべてのスプーン曲げはトリックである」ことを意味しません。科学哲学でいうところの、存在命題は全称命題ではない、という概念です。

屁理屈のようですが、この講義では、センセーショナルな超能力論争の延長線上には、物質と精神の関係という普遍的で哲学的な問いが存在する、という議論を進めつつ、心理学という学問の概論にもなるようにしていきます。


CE2024/04/15 JST 作成
CE2024/04/15 JST 最終更新
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