視覚と美術

精神疾患と創造性

統合失調症と双極性障害 精神疾患と創造性との関係は、かねてより議論されてきた。精神疾患に罹患していた学者や芸術家についての病跡学的な研究はさかんに行われてきたが、大規模な集団を対象とした統計的研究が進んできたのは、この十年ほどである。 統合…

大麻・カンナビノイドの向精神作用と精神文化

この記事には医療・医学に関する記述が数多く含まれていますが、個人の感想も含まれており、その正確性は保証されていません[*1]。 大麻の向精神作用 大麻精神病と関連する物質誘発精神疾患 大麻の向精神作用 大麻は酒やタバコよりも害が少ない、というが、…

【資料】レヴィ=ストロース「世界における日本文化の位置」

『やきもち焼きの土器つくり』[*1] でアマゾン先住民の土器について議論したレヴィ=ストロースは、日本の縄文土器もまた同様の驚嘆すべき異文化として、西欧という視点からの三角測量を試みている。 「縄文の精神」とアクション・ペインティング これに対し…

てんかんの検査/内部視覚

井の頭公園の木漏れ日 Office Yule(動画閲覧注意:明滅する光が脳を刺激します) 睡眠障害の検査 てんかんの検査 睡眠障害の検査 2018年6月。晴和病院で睡眠障害の検査のため脳波の検査を二回行った。終夜睡眠ポリグラフ検査では睡眠時無呼吸が治っていたの…

縄文文化の超自然観(移植整備中記事)

www.isc.meiji.ac.jp 階層を発達させつつあった社会 政治的指導者と宗教的職能者 土偶と女神信仰 「殺された女神」仮説 容器のデザイン 他界と交流する技法 再生への信仰? 配石の世界観 階層を発達させつつあった社会 縄文文化は西暦紀元前1400年~紀元前10…

「人類学A」講義ノート 2021/06/15

さて今週は、人類の起源と進化、そして芸術や宗教など、精神文化の起源と進化、という、人類学らしい話に戻ります。哺乳類から霊長類(サル目)へ、そして現生人類へと、どのように進化してきたかと、そういう話はどちらかといえば人類学Bで扱うのですが、「…

「人類学A」2021/05/25 講義ノート

精神展開薬を含む薬草は世界中に存在するが、それを薬草として用いる精神文化は中南米の先住民文化に独特のもので、他の地域では馴染みの薄いものである。精神展開薬を含む薬草の代表的なものとして、南米のアマゾンからブラジルへ、世界へと広がってきたア…

「人類学A」2021/05/11 講義ノート

向精神薬の分類については、前回の授業(→「人類学A」2021/04/27 講義ノート - 蛭川研究室)で扱ったが、あらためて、また、あらためて、整理したい。 向精神薬の分類 アヤワスカ アマゾンの先住民族におけるアヤワスカ茶の使用 ブラジルで広がったアヤワス…

【講義ノート】「身体と意識」2021/01/22

身体と意識の、今年度の最終講義です。先週は、バーチャルリアリティーのことを、ずいぶんと駆け足で、早口で喋ってしまいました(→「1月15日の講義ノート」)。身体論や意識科学の授業のはずが、急にVR技術の話になったり、素粒子物理学の話になったり、な…

象徴としての世界 −バリ島民の儀礼と世界観− (改訂版)

「最初の楽園」バリの誕生 観光資源としての葬送儀礼 カネのかかる葬儀 楽しい火葬 海が象徴するもの 儀礼の象徴性 動物性の嫌悪 〈不浄〉から〈聖〉への反転 霊力の顕現 共同体の〈死と再生〉 循環する時間 「最初の楽園」バリの誕生 マレー半島の南東、赤…

個人用VR器機

没入感を作る仕組み 両眼立体視 加速度センサ ルームスケールでの移動 各種のハイエンドHMD トラッキング スタンドアロンVR HTCとOculus HTC VIVE Oculus/Facebook 解像度と没入感 没入感を作る仕組み 両眼立体視 すこし視点がずれた映像を二種類用意して、…

世界の美術全集

先史・古代を主とした美術全集 『世界の大遺跡』(全13巻、講談社)は考古学的な美術に特化した美術全集である。『新潮古代美術館』(全14巻、新潮社)は、東西の古代文明の美術を網羅している。日本の原始美術・古代美術も含まれている。ただし1970年代の刊…