科学論・科学哲学

【資料】ポール・ファイヤアーベント(Paul Feyerabend)

歴史が提供するゆたかな素材を見つめる人々、より低級な本能を喜ばせるために、すなわち明晰性、精確さ、「客観性」、「真理」という形式の中で知的な事柄における安全性を切望する気持を満たさんがために、その素材を貧しいものにするつもりのない人々にと…

超心理学と関連学会の動向

アメリカの「Parapsychological Association」は、American Association for the Advancement of Science (AAAS)に加盟している学術団体であり、日本超心理学会(JSPP: Japanese Association for Parapsychology)は、かつては日本心理学諸学会連合にも加盟…

【覚書】不確定性原理

相対性理論 量子力学 自然単位系 相対性理論と量子力学は「観測」によって客観的な絶対時間と絶対空間を問題の外に置く。この現代物理学の二つの柱を、おおざっぱに説明してみる。ニュートンの『プリンシピア』は絶対時空を「公理」としたが[*1]、カントは時…

人類学とは何か ーその科学史的位置づけー

人類学の背景 人類学の下位分野 二つの人類学 文理総合科学としての人類学 人類学の現代的意義 人類学の背景 人類学(anthropology)は、人間を研究する学問である。しかし、そう定義しただけでは、人間を扱う学問のすべてが「人類学」になってしまう。人類…

「身体と意識」2021/12/17 CE 講義ノート

「タイでの一時出家」の記事は、だいぶ長い話でしたが、この身体と意識の授業も、そろそろ全体をまとめていきます。なぜ出家するのか、瞑想すると何がいいのか、ということなのですが、日本だと、精神を鍛えるというイメージでしょうか。お寺で修行をすると…

「不思議現象の心理学」2021/07/16 講義ノート

不思議現象の心理学という不思議なタイトルの授業も、今回が最終回になります。思い出してみれば私も大学生のころは、試験の情報を入手するために、授業の最終回だけは出席しよう、などと都合のいいことを考えていたものですが、さて、今年度も混乱がありま…

「不思議現象の心理学」2021/07/09 講義ノート

この授業も今回を含めてあと二回になりました。今回で今までの議論をまとめて、最終回で「身体と意識」につなげていく、という予定になります。また緊急事態宣言が出て大学も月曜からまた閉鎖か?という状況で、日曜日までの三日間で建物内でやっておくこと…

「不思議現象の心理学」2021/06/25 講義ノート

不思議現象の心理学もあと四回になりました。hirukawa-classes.hatenablog.jpおおよそのスケジュールとしては、シラバスとはすこし順序が違うのですが、話の流れで、まず先に疑似科学についての議論を先に扱います。これについては「科学と非科学の境界設定…

「不思議現象の心理学」2021/06/04 講義ノート

さて、今週はさらにくだけた口語調でお話しします。お話ししながら、後から書き換えたりしていますが、ふだん、教室でしゃべっているときはこんな感じです。掲示板の問答のほうも口語調ですが。Zoomで授業をやろうかなとも思うのですが、少人数のゼミは対話…

「不思議現象の心理学」2020/05/14 講義ノート

さて今週は「実験心理学と統計的仮説検定」に書いたことをテーマとする。じっさいに「心理学」という学問にふれてみると、統計学の話ばかりが出てきて驚くかもしれないが、これは、心という目に見えないものを科学的に研究するために、心理学が物質科学以上…

「不思議現象の心理学」2021/04/16 講義ノート

先週、初回は全体の展望で終わってしまったが、「脳の中の幽霊」という話はどうなったのだろう。今週は、その話をしたい。心という、物質ではないものを、物質と同じように、自然科学的な方法で研究する、心理学という学問がいかに成立してきたか。心理学と…

「不思議現象の心理学」2020/04/09 講義ノート

さて「不思議現象の心理学」の授業、今日が初回です。教室で、口でしゃべる代わりに、口語体の文字で書きます。ところどころ、日本語としておかしいところもありますが、それも講義口調ということで、御理解ください。今日は、初回なので、ざっと全体を見わ…

カントの道徳律・フーコーの規律(ディシプリン)

hirukawa-notes.hatenablog.jp (承前)朝に弱いくせに、夜になるとまた目がさえてきてしまうのが睡眠相後退症候群の厄介なところだが、こんな診断名をつけるほどのこともない。ヒトの体内時計が25時間だというのが不思議なことであり、同調因子がなければ生…

古代インド哲学における心物問題

ローカーヤタ(順世派) ヴェーダーンタ哲学 サーンキヤ哲学 仏教 【追記】インド六派哲学の基本文献とその和訳 【追記】動画によるインドの歴史地図 哲学の起源は古代ギリシアだけではない。古代のインドも、ギリシアと同様、またはそれ以上の思考の体系を…

西洋近代における心物問題

素朴実在論とアニミズム デカルトの二元論 唯物論と近代科学 素朴実在論とアニミズム 目の前に見えている世界は実在する、それは物理的世界であり、そんなことは当たり前で、それ以上のことは考えない、というのが、素朴実在論(naive realism)である。では…

心物問題・心身問題・心脳問題

「心物問題 mind matter problem」は、あまり使われない用語である。むしろ哲学においては「心身問題 mind body problem」(あるいは逆に身心問題)という言葉で多くの問題が語られてきた。しかし、この用語は、問題をむしろある特定の領域に制限してしまう…