蛭川研究室

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量子脳理論と自由意志

この記事は書きかけです。

2022年の7月に鎌倉で研究会があり、スチュワート・ハメロフ先生と思いがけず二十年ぶりに再会した。


古典的サイケデリックスはインドール環を持ちセロトニンと構造が似ている
 

20年ぶりの再会

お話を伺って、やっとペンローズ・ハメロフの量子脳理論を理解しなおした。

肉体の死後も「量子」という霊魂のようなものが存続するという通俗的な理解が流布していたから、ハメロフ先生もとうとう頭がおかしくなったのかと勘違いしていた。

じつのところ、この理論では、波動関数が自己収束するという。これは本当にトンデモない考えである。意志は運動よりも500ms遅れることをもって、自由意志は否定されるとされてきた。ところがこの理論によれば、量子論的なレベルでは、そのていどの時間は「逆行」するので、だから自由意志は存在するのだ、というのである。

https://www.researchgate.net/publication/329136588/figure/fig1/AS:695963714846723@1542942088928/a-The-Libet-Paradigm-The-participant-makes-a-voluntary-action-and-reports-the-time.png
リベットの実験[*1][*2]

量子重力理論と基礎物理定数

ペンローズとハメロフの理論は、量子重力理論の一種である。

重力の理論なので、cとhだけでなく、ミクロな量子レベルでは[弱すぎて]ほとんど問題にならないはずの重力定数Gが登場する。

基礎物理定数cとhとGの関係について、前置きを長々と書いているうちに、なかなか本題に入れないままになっていたが、予備知識のほうは以下の記事を参考にされたい。



hirukawa.hateblo.jp



記述の自己評価 ★★★☆☆
(講演を記録したノートであり学術的には正確ではありません。正確さを期してつねに加筆修正中であり未完成の記事です。しかし、記事の後に追記したり、一部を切り取って別の記事にしたり、その結果内容が重複したり、遺伝情報のように動的に変動しつづけるのがハイパーテキストの特徴であり特長でもあります。)

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  • CE2022/07/11 JST 作成
  • CE2024/03/14 JST 最終更新

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