蛭川研究室

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「不思議現象の心理学」2020/05/14 講義ノート

さて今週は「実験心理学と統計的仮説検定」に書いたことをテーマとする。じっさいに「心理学」という学問にふれてみると、統計学の話ばかりが出てきて驚くかもしれないが、これは、心という目に見えないものを科学的に研究するために、心理学が物質科学以上に科学的であろうとつとめてきた結果である。

以下は、上記リンク先の記事の項目である。

まず、肉体の死後も霊魂は残るのか、といった「心霊研究」の素朴な疑問から「超心理学」が発展してきたプロセス。
霊魂仮説とESP仮説
心の科学と行動主義
PKとESPの操作的定義

「刺激」と「反応」の関係として「心」を操作的に定義する、というのは、「行動主義」という、実験心理学一般のパラダイムでもあった。

統計的仮説検定の考えかたとして、操作的に定義された「PK」と{ESP」を例にとって、実際に計算してみる。
コインを投げる→PK
帰無仮説を立てる
有意確率の計算
具体的な計算の例
カードの模様を当てる→ESP
第一種の誤りと第二種の誤り

証明したい仮説の反対の仮説、帰無仮説を立て、その帰無仮説を否定して、否定の否定によって論を進めていくのは、回りくどいようだが、これは、科学哲学の方法論が、実証主義から反証主義へと洗練されていったことと並行している。

実証主義と反証主義

19世紀から20世紀にかけて、心霊研究は超心理学へと発展した。これは、死後の霊魂というオカルト的なテーマだけにかぎったことではなく「心」という実体のないものを、どのように科学的、数学的に取り扱うかという、実験心理学の発展の歴史とも並行しており、さらには、科学論の現代史にも位置づけられる。



CE2020/05/13 JST 作成
CE2021/05/14 JST 最終更新
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