世界の美術全集

先史・古代を主とした美術全集

『世界の大遺跡』(全13巻、講談社)は考古学的な美術に特化した美術全集である。

『新潮古代美術館』(全14巻、新潮社)は、東西の古代文明の美術を網羅している。日本の原始美術・古代美術も含まれている。ただし1970年代の刊行であり、やや印刷状態が悪い。

現代美術まで含めた古今東西の美術

世界美術全集のたぐいは多数出版されているが、研究室のお気に入りは『世界美術全集』(小学館)である。1990年代の刊行であり、図版が美しい。

これは西洋編(全28巻+別巻)と東洋編(全17巻+別巻)の二系列からなる。西洋編の大半はヨーロッパの近現代美術であるが、石器時代の洞窟壁画や中南米の先住民美術などもカバーしており、扱っている範囲は広い。

パソコンのモニタで、さらにはVRで美術鑑賞や遺跡訪問さえできる時代にはなったが、しかし手に取って眺めることのできる紙の書籍も良いものである。

美術全集が扱う地域と時代

上記に挙げた四種類の美術全集が扱う地域と時代については、おおよそ以下の表のとおり。

地域・時代 遺跡 古代 東洋 西洋
近現代ヨーロッパ 8-28
中世ヨーロッパ 6-7
古代ローマ 6 5 5
古代ギリシア 5 4 3-4
イスラーム世界 17
古代エジプト 2 3 2
メソポタミア 3-4 1 16
ペルシア 4 2 16
中央アジア 7 15
インド 8 9 13-14
東南アジア 12 12
中国 9 10 1-9
朝鮮 10 11 10-11
日本 11 12-13
中南米 13 14 1
先史時代一般 1 10 1

「遺跡」=『世界の大遺跡』
「古代」=『新潮古代美術館』
「東洋」=『世界美術大全集 東洋編』
「西洋」=『世界美術大全集 西洋編』



2019/09/14 JST 作成
2019/09/16 JST 最終更新
蛭川立