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プラトンによって西暦紀元前387年にアテナイに創設された学問所、アカデメイア(アカデミア)(Akadēm(e)íā)は、西洋的な教育研究施設の起源とされる。「アカデミー(academy)」の語源でもある。

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アカデメイアの跡地は、現在、公園として開放されている(2013年、ギリシアアテネ

アカデメイアの正門には「幾何学を知らざるもの、此処より入るべからず(Ageōmétrētos mēdeìs eisítō)と掲げられていたという。

「geometría」とは「大地を計ること」つまり「幾何学(geometry)」である。これに否定の接頭辞「a」がついているから、幾何学の知識がない、という意味である。

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ところどころに大理石の遺構が遺っている

プラトンは『国家』の中で、幾何学天文学、体育が主要三科目だとしている。なかでも重要なのが、幾何学であった。それは「数学」と言いかえてもよいだろう。数学には、代数学幾何学解析学などの分野があるが、とりわけ古代ギリシアでは幾何学が数学の基本だと考えられていた。

つまり大学入試の科目が数学と天文学と体育で、いちばん配点が高いのが数学である、とでもいう具合だろうか。

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現在の公園の入り口。「犬のフンは飼い主が持ち帰りましょう」

数学を万学の基本と考えるプラトンの思想は、ピタゴラスピュタゴラス)に遡ることができる。万物の始原(arkhē)は「数」であるとしたピタゴラスの名は、とりわけ幾何学上のもっとも単純でかつ深遠な「ピタゴラスの定理三平方の定理)」によって知られている。

https://media.curriculum.newvisions.org/math/filer_public_thumbnails/filer_public/4c/0b/4c0bfefe-9418-4355-8832-da89bd33289f/proving_the_pythagorean_theorem.png__1200x900_q85_subsampling-2.png
ピタゴラスの定理[*1]

このピタゴラスの定理を式で表すと、以下のようになる。
 

a^{2} +b^{2} =c^{2}
 
もっとも単純な解として、3、4、5という連続した自然数があらわれる。

ピタゴラスは、万物の始原は数であり、宇宙の法則は簡単な整数比によって知られるとした。そして、その整数比は、宇宙の音楽の和音として知覚されるものでもあった。2倍音だけを基本とする平均律に対し、3倍音を基本とする(5度の和音)音律がピタゴラス音律であり、5倍音を基本とする(3度の和音)音律が純正律である。



CE2019/02/25 JST 作成
CE2020/11/27 JST 最終更新
蛭川立

*1:[無署名記事] Proving the Pythagorean Theorem | Math New Visions for Public Schools.(2020/11/27 JST 最終閲覧)