蛭川研究室

蛭川立の研究と明治大学での講義・ゼミの関連情報

脳神経科学

「人類学A」講義ノート 2021/06/22

緊急事態宣言も明けまして、とくに一年生、二年生の皆さん、やっと大学の建物に入れるようになったかと、教員側としても、キャンパスに活気が戻ってきたなと実感しておりますが、ただ、私の講義にかんしては、このまま7月8月と同じ形式で続けていきます。オ…

「人類学A」講義ノート 2021/06/15

さて今週は、人類の起源と進化、そして芸術や宗教など、精神文化の起源と進化、という、人類学らしい話に戻ります。哺乳類から霊長類(サル目)へ、そして現生人類へと、どのように進化してきたかと、そういう話はどちらかといえば人類学Bで扱うのですが、「…

「人類学A」2021/06/08 講義ノート

先週は大麻の話をしましたが、いわゆる薬物関連のお話が続いています。高校までの勉強や一般常識の世界で間違った知識が流布しているので、正しい知識を身につけなければ、ということで、ついつい薬物、ドラッグという話が長くなってしまいます。それは予備…

薬物依存

この記事には医療・医学に関する記述が数多く含まれていますが、その正確性は保証されていません[*1]。検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。この記事の内容の信頼性について検証が求められています。確認のための文献や情報源をご…

大麻の精神作用と精神文化

Psychoactive Effect and Spiritual Culture of Cannabis この記事には医療・医学に関する記述が数多く含まれていますが、その正確性は保証されていません[*1]。検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。この記事の内容の信頼性につい…

「人類学A」2021/05/25 講義ノート

精神展開薬を含む薬草は世界中に存在するが、それを薬草として用いる精神文化は中南米の先住民文化に独特のもので、他の地域では馴染みの薄いものである。精神展開薬を含む薬草の代表的なものとして、南米のアマゾンからブラジルへ、世界へと広がってきたア…

「人類学A」2021/05/18 講義ノート

アヤワスカ ブラジルのニュース番組 アマゾンの先住民族におけるアヤワスカ茶の使用 ブラジル文化の多様性 ブラジルで広がったアヤワスカ系宗教運動 アヤワスカ茶とDMTの薬理作用 「京都アヤワスカ茶会裁判」 以下のノートは、先週、5月11日のノートの後半と…

「人類学A」2021/05/11 講義ノート

向精神薬の分類については、前回の授業(→「人類学A」2021/04/27 講義ノート - 蛭川研究室)で扱ったが、あらためて、また、あらためて、整理したい。 向精神薬の分類 アヤワスカ アマゾンの先住民族におけるアヤワスカ茶の使用 ブラジルで広がったアヤワス…

「人類学A」2021/04/27 講義ノート

hirukawa.hateblo.jp 承前。先週は脳神経系の構造についての話だったが、向精神薬のはたらきを理解するだけなら、じつは、脳の構造についての知識はあまり必要ではなく、もっぱらシナプスとレセプターの話で事足りてしまう。むしろ、レセプターのタンパク質…

睡眠障害治療薬の科学史

この記事には医療・医学に関する記述が数多く含まれていますが、その正確性は保証されていません[*1]。検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。この記事の内容の信頼性について検証が求められています。確認のための文献や情報源をご…

2020/04/24 日記実験8日目・睡眠実験1日目

hirukawa.hateblo.jp 承前。 睡眠実験開始 臨死体験研究 人類学講義ノート 夢 朝 昼 夕 人類学講義ノート 神経伝達物質 神経伝達物質と遺伝子 向精神薬 精神展開薬の文化人類学 儀礼としての「茶道」 プレモダン・モダン・ポストモダン ミクロネシア(とくに…

日記の試み(6日目) ーまたは「無為自然 ー 赤レンガ通院記(六)」ー

朝 無為自然 夜 朝 7時に自然に目覚める。しかしまた眠り、8時すぎに起き出し、気分が悪くて絶望的になり、それからカフェインではなくメチルフェニデートを一服し、目を覚まし、部屋中に転がっていた、可燃ゴミの袋を集めて、これが五袋も溜まっていたが、…

日記の試み(5日目)2021/04/21

hirukawa.hateblo.jp 承前。 前夜 朝 食と緊急事態(余談) 昼 前夜 あさってにも三度目の緊急事態宣言が発令される予定だという。出勤することで生活のリズムが良好だったのだが、また自宅生活が増えてしまうと具合が悪くなってしまう。布団の中で考えて暗…

「人類学A」2021/04/20 講義ノート

高校生物を振り返る 脳から向精神薬へ、宗教儀礼へ ヒトの脳の系統発生と個体発生 じつは脳の構造はあまり詳しく知らなくていい 高校生物を振り返る 毎年の講義をしていて考えなおしたことがある。人類学の受講生は、高校を卒業し、入試を通ってきたばかりの…

日記を書く試み(四日目)

hirukawa.hateblo.jp 承前。 前夜 朝 昼 夜 前夜 前夜は布団の中で考えごとなどして、いつものように寝つきが悪かった。ブラジルのことなどが思い起こされたが、サント・ダイミの聖歌は、日本語にするなら、力を与えよ光を与えよ、蔓は力で葉は光、と置いた…

脳とホルモン(蛭川学部生時代の手書きノート)

脳の構造(表) 脳の構造(図) 大脳半球の縦断面 視床下部の構造 自律神経とホルモン

日記を書くという試み(三日目)

hirukawa.hateblo.jp 承前。(昨日の日記) 起床と朝食 日記に余計なことを書きすぎている (また向精神薬の話) 昼食 休憩、そして 夕食 睡眠と覚醒と光 起床と朝食 三日坊主という言葉があるが、日記というものを書くという試みの三日目。いつも、研究の打…

日記というものを書く実験 ー寝食を中心にー

hirukawa.hateblo.jp 承前昨日は、日記というものを書いてみた。日記というのは、食べものの写真をアップして、それにコメントをつけたりするものが多いが、これはまた、日々の栄養管理という意味も持つ。昨日の日記を見返してみて、改善可能な、いくつかの…

日記というものを書く実験 ー食べものを中心にー

食べものの話題を中心に、日記というものを書いてみる、という作業を、今日も続けることにする。 今朝は8時半にアラームで起こされる。この時間は、入院していたときよりも、かなり遅い設定だが、それでも眠くて気分が悪い。何も薬は飲まずに起き上がり、9…

男もすなる日記といふものを - 日記実験 2021/04/13 -

今朝は二年ぷりに体脂肪率が22%を下回った。 睡眠時無呼吸の治療を続ける中で、成人男性の場合だが、正常値と軽度の肥満のカットオフ値を22パーセントと決めた。これは国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部で行われていた、脳の栄養学的…

「不思議現象の心理学」2020/04/09 講義ノート

さて「不思議現象の心理学」の授業、今日が初回です。教室で、口でしゃべる代わりに、口語体の文字で書きます。ところどころ、日本語としておかしいところもありますが、それも講義口調ということで、御理解ください。今日は、初回なので、ざっと全体を見わ…

向精神薬に関連する国内法と国際条約

国際条約 国内法 国際条約におけるスケジュール 薬物犯罪の罰則 国際条約 国際機関と国際条約 International Narcotics Control Board (INCB)(国際麻薬統制委員会) Single Convention on Narcotic Drugs, 1961 千九百六十一年の麻薬に関する単一条約(日本…

西洋近代における心物問題

素朴実在論とアニミズム デカルトの二元論 唯物論と近代科学 素朴実在論とアニミズム 目の前に見えている世界は実在する、それは物理的世界であり、そんなことは当たり前で、それ以上のことは考えない、というのが、素朴実在論(naive realism)である。では…

【講義ノート】「身体と意識」2020/11/13

11月13日の金曜日の「身体と意識」の講義ノートです。大学生の救急搬送と、そこから派生した事件について、授業で紹介してきた臨死体験の話と共時的に並行して話が進んできました。「臨死体験」について、体験談から、メカニズムへと議論が進むにつれて、DMT…

【講義ノート】「身体と意識」2020/11/13

(現在、作成中です)臨死体験の研究から、心物問題という抽象的な、哲学上の議論へと話を移していきます。 記述の自己評価 ★★★☆☆ CE 2020/111/10 JST 作成 蛭川立

【講義ノート】「人類学B」2020/11/09

個人向けの遺伝子解析サービスの話から、親族構造論へと話を移動させていきます。秋学期の授業も、前半の自然人類学から、後半の文化人類学へと移行していきます。配偶システム・婚姻制度について、自然人類学的な視点からは、サル類の一種としての人類の進…

【講義ノート】「身体と意識」2020/10/30

hirukawa-classes.hatenablog.jp承前。リアルタイムディスカッションは12時30分までを予定していますが、本日16時33分に、明治大学を爆破するという予告が来たようです。www.meiji.ac.jp理由も動機も、なぜ16時33分という時刻指定なのかも、どの地区のどの部…

臨死体験

臨死体験の内容は似通っている 死後の世界か脳内現象か 臨死様体験 向精神薬と臨死体験 精神展開薬 麻酔薬 事後効果 参考資料 臨死体験 NDE: Near Death Experience とは、死に瀕した人が死後の世界を垣間見るような体験のことをいう。 Bosch (1490). Kutsan…

臨死体験の要素と因子

中核体験 臨死体験尺度 要素体験の因子分析 臨死体験と精神展開体験は似ているが、その内容には個人や文化を超えた、典型的な要素がある。これらの体験要素を定量的に分析するためのスケールが作られてきた[*1]。 中核体験 臨死体験の内容は互いに似通ってい…

「麻薬」を規制する国内法と国際条約におけるDMTの扱い

「麻薬」を規制する国内法と国際条約におけるDMTの扱い 第二次大戦後の国際条約 伝統的使用の留保 植物と茶は国際条約では統制されない 日本における法的規制 『薬草協会』の見解 麻薬「製造」の定義 厚生労働省の見解 「脳内麻薬」は「麻薬」の「所持」なの…