ー 日本における医療用アヤワスカ・アナログをめぐる裁判事例を中心に ー
2024年2月25日に日本心霊科学協会で行った講演の資料です。今までにこの蛭川研究室ブログにアップしてきた記事へのリンク集です。
近況報告
hirukawa-notes.hatenablog.jp ここ数年、海外調査に行く元気もなく過ごしてきた中で、サイケデリック・ルネサンスが起こり、抗うつ薬として復活してきたサイケデリックス(精神展開薬)に再会した、という個人的な想いです。適宜、読み飛ばしてください。
発表資料
京都DMT茶会裁判
アマゾン先住民シピボの世界観
hirukawa-archive.hatenablog.jp
臨死体験
【追記】「心霊研究」と「心霊主義」のこと
じつは、日本心霊科学協会(公式サイト)という組織が日本にあるということ自体を知らなかったのですが、いや、名前は聞いたことはあったかもしれませんが、戦前に活躍した団体で、今はもう存在しない、と思い込んでいたふしがあります。
伺ってみれば、たしかにその起源は古くに遡り、1923年に浅野和三郎らによって設立された「心霊科学研究会」の流れを汲んでおり、今でも会員が千人ほどあるとのこと。学会の建物もあり、玄関に入ると受付で事務職員さんたちが何人も働いておられるという、初訪問の体験となりました。
Spiritualism(心霊主義と訳される、近代合理主義が勃興した時代に興った新しい宗教運動で、近代スピリチュアリズムとも訳される)とpsychical research(心霊研究と訳される、心霊現象や超常現象を科学的に研究する学派)は互いに対立し合いながらも相互に発展してきた思想運動なのですが、日本では二つの立場が同じ協会で活動しているとのこと。
日本語で「心霊」と訳すと、なにかおどろおどろしい、幽霊のようなイメージが強くなってしまうのですが、欧語のspiritやpsycheは、もともとは精神、心、魂という意味で、とくにカルトやホラーなニュアンスがあるわけではありません。日本語の心理学も英語ではpsychologyで、やはりpsyche-という語が入っています。
西欧で勃興した心霊主義の背景には、伝統的なキリスト教でもない、唯物論でもない、新しい宗教を作ろうという思想がありました。心霊主義の中には、植民地から逆輸入されたインド哲学の影響が強く認められるのですが、キリスト教とインド哲学を折衷して唯物論に対抗しようとするあまりに、自己矛盾を起こしてしまったところもあります。東洋人からすると、とても興味深い思想史でもあります。
このあたりの歴史的考察については私も関心があり、2013年に「「心霊研究」から「超心理学」へ」という記事を書きました。ロンドンで心理学を学んでいたころです。
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