蛭川研究室

蛭川立の研究と明治大学での講義・ゼミの関連情報

「人類学B」西暦2024年度 講義計画

西暦2023年度に開講される人類学Bの公式シラバスについては「『人類学B』西暦2023年度 概要」を参照されたい。重複するようだが、こちらのページでは毎週のじっさいの講義計画をリアルタイムで更新していく。授業はライブであり、シラバスどおりには進まない。受講生からのフィードバックや時事的な話題なども考慮しながら進めていく。

文理の学際領域としての人類学

学部の1・2年生向けの講義は「人類学A」と「人類学B」である。春学期の「人類学A」と秋学期の「人類学B」は独立の科目だが、人類学は文理融合の総合科学であるという主張は「人類学の科学史的位置づけ」に書いたとおりだが、二つの授業は、いずれも自然人類学の話から始めて、社会人類学文化人類学へと発展させていくという構造は続けたい。

「人類学B」は自然科学的な基礎知識として、遺伝学・進化論を概観し、配偶システム、親族と婚姻、社会人類学、経済人類学等々を論じたい。自然科学から人文・社会科学への境界領域としては、個人遺伝子解析や生殖技術、優生学論争、社会生物学論争などを中心に取りあげたい。

講義の進行

09/26 イントロダクション
人類学とは何か
人類学の科学史的位置づけ
暦法コスモロジーと文化相対主義−」
10/03 宇宙の進化と生命の進化
宇宙論的空間と進化論的時間
生物の系統と進化
脊椎動物の進化
サル目の系統進化
10/10 有性生殖と配偶システム
  「遺伝と生殖」
人類の起源と進化
ヒト上科の社会構造
人類の進化と大脳化
気候変動と生物の進化・人類の歴史
10/17 蛭川ゼミの紹介
蛭川ゼミナール紹介動画
バリ島民の象徴的世界観
10/24 現生人類の拡散
日本列島民の系統
ウイルスと人類の共進化
10/31 (休講)
11/07 チベット文化圏
親族と婚姻ー文化人類学・社会人類学の基本概念
単婚と複婚
出自の規則
(「2003年春・四川・雲南での調査記録」)
走婚ー雲南モソ人の別居通い婚ー
送魂ー雲南ナシ族・モソ人の葬送儀礼
ブータンの母系社会」
11/14 中国(漢民族
陰陽五行の世界観
神話の実体化ー丙午現象
呪薬の論理
11/21 遺伝子解析と優生学
個人向け遺伝子解析
11/28 遺伝子と文化の共進化
認知機能・パーソナリティの小進化
人種・民族・文化
12/05 ミクロネシア
ヤップ島の親族構造と呪物としての貨幣
神話の構造(オーストロネシアと古代日本)
南太平洋のカヴァ文化
12/12 インドネシア・バリ島
バリ島民の象徴的世界観
12/19 「バリ島民の儀礼と芸術」
12/26 (休講)
01/02 (休講)
01/09 現代社会における象徴的コスモロジー
01/16 労働・貨幣・欲望
01/23 (補講予定日)
01/30 (教室での試験は行わず期末レポートとします)



記述の自己評価 ★★★☆☆

  • CE2022/04/08 JST 作成
  • CE2024/10/17 JST 最終更新

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