西暦2023年度に開講される人類学Bの公式シラバスについては「『人類学B』西暦2023年度 概要」を参照されたい。重複するようだが、こちらのページでは毎週のじっさいの講義計画をリアルタイムで更新していく。授業はライブであり、シラバスどおりには進まない。受講生からのフィードバックや時事的な話題なども考慮しながら進めていく。
文理の学際領域としての人類学
学部の1・2年生向けの講義は「人類学A」と「人類学B」である。春学期の「人類学A」と秋学期の「人類学B」は独立の科目だが、人類学は文理融合の総合科学であるという主張は「人類学の科学史的位置づけ」に書いたとおりだが、二つの授業は、いずれも自然人類学の話から始めて、社会人類学・文化人類学へと発展させていくという構造は続けたい。
「人類学B」は自然科学的な基礎知識として、遺伝学・進化論を概観し、配偶システム、親族と婚姻、社会人類学、経済人類学等々を論じたい。自然科学から人文・社会科学への境界領域としては、個人遺伝子解析や生殖技術、優生学論争、社会生物学論争などを中心に取りあげたい。
講義の進行
09/26 | イントロダクション |
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人類学とは何か | |
「人類学の科学史的位置づけ」 | |
「暦法ーコスモロジーと文化相対主義−」 | |
10/03 | 宇宙の進化と生命の進化 |
「宇宙論的空間と進化論的時間」 | |
「生物の系統と進化」 | |
「脊椎動物の進化」 | |
「サル目の系統進化」 | |
10/10 | 有性生殖と配偶システム |
「遺伝と生殖」 | |
人類の起源と進化 | |
「ヒト上科の社会構造」 | |
「人類の進化と大脳化」 | |
「気候変動と生物の進化・人類の歴史」 | |
10/17 | 蛭川ゼミの紹介 |
「蛭川ゼミナール紹介動画」 | |
「バリ島民の象徴的世界観」 | |
10/24 | 現生人類の拡散 |
「日本列島民の系統」 | |
「ウイルスと人類の共進化」 | |
10/31 | (休講) |
11/07 | チベット文化圏 |
「親族と婚姻ー文化人類学・社会人類学の基本概念」 | |
「単婚と複婚」 | |
「出自の規則」 | |
(「2003年春・四川・雲南での調査記録」) | |
「走婚ー雲南モソ人の別居通い婚ー」 | |
「送魂ー雲南ナシ族・モソ人の葬送儀礼」 | |
「ブータンの母系社会」 | |
11/14 | 中国(漢民族) |
「陰陽五行の世界観」 | |
「神話の実体化ー丙午現象」 | |
「呪薬の論理」 | |
11/21 | 遺伝子解析と優生学 |
「個人向け遺伝子解析」 | |
11/28 | 遺伝子と文化の共進化 |
「認知機能・パーソナリティの小進化」 | |
「人種・民族・文化」 | |
12/05 | ミクロネシア |
「ヤップ島の親族構造と呪物としての貨幣」 | |
「神話の構造(オーストロネシアと古代日本)」 | |
「南太平洋のカヴァ文化」 | |
12/12 | インドネシア・バリ島 |
「バリ島民の象徴的世界観」 | |
12/19 | 「バリ島民の儀礼と芸術」 |
12/26 | (休講) |
01/02 | (休講) |
01/09 | 「現代社会における象徴的コスモロジー」 |
01/16 | 「労働・貨幣・欲望」 |
01/23 | (補講予定日) |
01/30 | (教室での試験は行わず期末レポートとします) |
記述の自己評価 ★★★☆☆