中生代の終わり、6500万年前に恐竜が絶滅した後、新生代が始まる。昼行性の恐竜に対し、夜のニッチでひっそりと暮らしていた哺乳類(有胎盤類)が急速に適応放散した。霊長類(サル目)も、このときに登場した。
霊長類は樹上生活に適応した動物であり、立体視ができ、初めは夜行性だったがその後、昼行性となり、色覚が進化したという特徴がある。
サル目の系統樹
化石種も含めた霊長類の系統樹をみると、旧世界では、ヒト上科は衰退に向かってきたグループであり、オナガザル上科は繁栄しつつあるグループだということがわかる。このことは、進化に方向性があっても、必ずしも人間のような存在を目的として進化しているのではないという可能性を示唆している。
サル目の系統分類
(絶滅種は含まず)
- Order Primates サル目(霊長目)
- Suborder Strepsirrhini 原猿亜目
- Subroder Haplorhini 真猿亜目
- Infraorder Platyrrhini 広鼻亜目
- Superfamily Ceboidea オマキザル上科
- (新世界ザル。南米に生息)
- Superfamily Ceboidea オマキザル上科
- Infraorder Catarrhini 狭鼻亜目
- Infraorder Platyrrhini 広鼻亜目
現存するサルたちの姿
日本にでは、野生のサルであるニホンザルが生息していたということもあり、サル学・霊長類学が早くから発展した。その後、アフリカの類人猿などの現地調査も進められた。
いっぽう、名鉄(名古屋鉄道)の観光開発の一環としてつくられた、霊長類に特化した動物園である日本モンキーセンターには世界中のサルが集められ、敷地内には京都大学霊長類研究所が併設され、国際的な霊長類研究のセンターとなっている。
【日本モンキーセンター Webサル図鑑】には、飼育されているサルの画像が分類群別に整理されている。以下の写真は霊長類研究所のサイトからの借用。
主な霊長類の写真[*2]
以下はモンキーセンターで飼育されている動画のチャンネル。
CE2005/04/19 JST 作成
CE2021/09/27 JST 最終更新
蛭川立
*1:京都大学霊長類研究所「霊長類はどう進化してきたの?」『霊長類研究所WEB博物館』(2021/09/27 JST 最終閲覧)
このページで引用した系統樹の図は画像を貼り付けただけだが、上のURLから改めてサイトに入って図の中の数字や文字をクリックすると個々の種などの写真と解説を見ることができる。
*2:京都大学霊長類研究所「世界の霊長類、その歴史、現生種の系統図、写真」(2021/09/27 JST 最終閲覧)