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蛭川立の研究と明治大学での講義・ゼミの関連情報

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CE2019/02/25 JST 作成
CE2024/02/20 JST 最終更新
蛭川立

「人類学A」講義メモ 2024/05/09

4月24日の講義で予告しましたが、一週間の休みをはさんで、今週はいわゆる薬物についてのお話をしようと思います。脳神経科学と生理心理学の基本を学ぶことができる題材でもありますし、実際の生活にも役に立つ知識です。

自分の研究の誤解を解きたいということでもあります。辺境の地の未開民族の幻覚植物の研究などして何の役に立つののですかという質問に対しては、まあ知的な好奇心や探究心で、むしろ役に立つとか立たないといった皮相的なことではなく本質的なところを研究するのが学問である、ということができます。それが今になって若者のひきこもり問題やうつ病の治療に役立つということであれば、一見、何の役にも立たない基礎的な学問が、意外なところで役に立つ、ということでもあります。

もうひとつ誤解されて困るのは、ヤバいドラッグ、危険な薬物の研究だと思われてしまうことです。あるいは、オカルトだとか怪しい宗教ではないかという誤解も多々あります。この、ヤバい薬物という偏見はどうやって作られてきたのかという、そこを釈明することからはじめてみます。


「人類学A」講義メモ 2024/04/24

人類学Aの講義メモです。アマゾンの先住民族が治療儀礼のために使ってきた薬草「アヤワスカ」が、日本や欧米でうつ病の特効薬として使われている、という導入部分が長くなってしまいました。アヤワスカを飲むとどんなビジョンが見えるのか?ということについては、たくさんの映画や動画が作られるようになりました。その一部を紹介します。

中南米先住民族が使用してきた、精神活性作用を持つ薬草の文化については、また5月ごろにあらためてお話をすることにします。

精神活性物質の構造や機能を理解するためには、まずは脳や神経系の構造と機能について知っておく必要があります。脳神経科学の基礎知識は、自然人類学の基礎というだけではなく、人文・社会科学を理解するための基礎的な教養でもあります。


「人類学A」2024/04/18 講義ノート

講義の流れを概観するための補足です。先週、初回の講義では京都の大学で起こった「京都アヤワスカ茶会裁判」から話を始めました。そして、その「アヤワスカ」とは何か?これはアマゾン川上流域の先住民族が使っている薬草のお茶なのですが、強力な精神作用があります。先週にすこし予告しましたが、私じしんが2000年から2001年にかけて現地で調査をしたときの記録が「アマゾン先住民のシャーマニズム」です。

体系的に勉強するためには、まず人間の神経系、脳の機能と構造、何千万年もかけてどうやって進化してきたのか、などについて、ひととおり学んでから、次に、精神活性作用を持つ物質の作用、そういう物質を含む植物がどのように使われてきたのか、その歴史と文化について、現代社会との関わり、という順番のほうがいいのですが、授業の初めは逆から話をしています。

まず、現代の日本の大学で起こった事件を取り上げて、それから南米のアマゾン川に飛んでいき、そこで使われている薬草の成分、それが脳にどのように作用するのか、という順でお話をしたほうが、わかりやすいからです。


CE2024/04/17 JST 作成
CE2024/04/17 JST 最終更新
蛭川立

「不思議現象の心理学」2024/04/15 講義ノート

講義日程とブログへの記事を補足する講義用のメモです。記事へのリンクが交錯してしまっていますが、それを整理するためのメモでもあります。

「不思議現象」というのは石川幹人先生から引き継いだお題ですが、超常現象とか、超心理現象とかいう意味合いです。まず最初に、わかりやすい「超能力」の例として「スプーン曲げ」をとりあげます。

ブログ内記事では「スプーン曲げ騒動」を見てください。

「スプーン曲げ」は「念力」なのかトリックなのか?というセンセーショナルな議論がありました。念力など科学的にありえないかというと、そうは言えません。科学は論理的・実証的な手続きですから、念力でスプーンが曲がったとしても、そういう現象が客観的に観察されれば、それは科学の研究対象になります。

「念力」ではなく「筋力」でスプーンを曲げることもできますし、マジックで再現することも、けっこう簡単です。しかし、論理的には「トリックでスプーンを曲げることができる」ことは「すべてのスプーン曲げはトリックである」ことを意味しません。科学哲学でいうところの、存在命題は全称命題ではない、という概念です。

屁理屈のようですが、この講義では、センセーショナルな超能力論争の延長線上には、物質と精神の関係という普遍的で哲学的な問いが存在する、という議論を進めつつ、心理学という学問の概論にもなるようにしていきます。


CE2024/04/15 JST 作成
CE2024/04/15 JST 最終更新
蛭川立

問題発見テーマ演習A 2024年度

テキストとして指定している『彼岸の時間』は、初版も第二版も絶版になって久しく、古書としてもだいぶ高値で取引されている。

紙の本を購入する価値は、表紙などのデザインにあるかもしれない。初版と第二版で表紙のデザインが違うので注意されたし。

『彼岸の時間』のテキストの部分は電子化され、パスワードを入力すると閲覧できるようになっているが、その後、部分を切り出して写真や動画、GoogleMapなどを組み込み、加筆修正してこのはてなブログの記事としてアップする作業を続けている。

hirukawa.hateblo.jp

上記のサイトに、『彼岸の時間』のどの部分から新しい記事が派生しているかの現状をまとめている。



CE2024/04/12 JST 作成
CE2024/04/12 JST 最終更新
蛭川立

『彼岸の時間』の各章とブログ記事の対応

2009年に刊行された『彼岸の時間』の第二版の電子テキスト版は「『彼岸の時間』目次」から、パスワードを入力して閲覧することができる。

その後、本文の一部を切り出して、写真や動画、地図などを貼り込みつつ、加筆修正し、新たな記事としてアップする作業を続けている。以下はその現状。

第1章

アマゾンのシャーマニズムアヤワスカ文化については、2000年〜2001年に調査を行ったときの映像を貼り込んで改訂した記事「アマゾン先住民シピボのシャーマニズム」がある。

アイヌの他界観と臨死体験については、第1章での記述をもとに、2023年の北海道での調査やその後の文献研究などの結果を大幅に加筆して再構成した記事「アイヌの他界観と臨死体験」を整理しながら執筆中。

臨死体験の心理学的・生理学的研究については「臨死体験」にまとめなおしている。

第2章

バリ島についての記述は、1997年〜1998年、2002年の調査にもとづいているが、この時に撮影した映像を貼り込んで「象徴としての世界 −バリ島民の儀礼と世界観− 」という別記事にしてアップしている。

第3章

第3章については、インド暦の大晦日、マハー・シヴァ・ラートリとアサ(大麻)との関係の部分だけは「マハー・シヴァ・ラートリ」という記事にしてある。リンク先にさらにリンク先があって、まとめきれていないが、おもに1995年にガンジス川の聖地ヴァラナシを訪れたときの記録である。

(以下、制作中です)



CE2024/04/12 JST 作成
CE2024/04/25 JST 最終更新
蛭川立