蛭川研究室

蛭川立の研究と明治大学での講義・ゼミの関連情報

「身体と意識」2021/12/03 CE 講義ノート

DMTやサイケデリックスといった話を微妙に迂回しながら話を進めてきましたが、あまり身近にない薬物ですし、危険なドラッグだとか薬物だとか、そういう偏見が強いですから、なかなか難しいです。しかし、じつはDMTという物質は、非常に身近でありまして、人間の脳の中に自然に存在するんですね。つまり脳内に麻薬を所持しているわけです。DMTは幻覚剤とも呼ばれますが、夜寝ているときにたくさん分泌されて、それで夢という幻覚を見るのだという説もあります。

瞑想とかヨーガとかいうものがありますが、脳内のDMTを自分で増減させる方法が、瞑想であり、その体験を体系化したものが、古代インドの哲学だったり、仏教という思想であるわけです。インド哲学や、そこから派生した仏教という思想については、また次回以降に扱います。

今回は、そのあたりの理屈はともかく、まずは具体的な話です。「タイでの一時出家」という記事をごらんください。もう二十年ほど前ですが、私じしんがタイで出家したときの記事です。長いです。これだけでも十分に読み応えがあります。日本で出家というと大変なことのようですが、出家という日本語のイメージとは違うのですが、タイやスリランカなど、上座部仏教が国家的に広まっている社会では、成人男子が何週間か、何ヶ月か、すこし休暇を取って、お寺で瞑想をするのは、ふつうのことです。タイなど、東南アジアに行ったことがある人は、よく知っているかもしれません。

出家体験談がとても長いので、ここで、これ以上補足することもありません。授業の進め方としては、最後までこの方式で進めることにしました。しかし、講義ノートとリンク先資料と掲示板という三段構造は冗長にすぎるので、講義ノートのほうは短めに、リンク先の紹介と、それに対する補足にとどめます。

そのいっぽうで、リンク先の記事ですが、これはもう10年以上書き続けているもので(毎週の予定表からちゃんとリンクが張られていないのは問題ですが)折に触れてすこしずつ書き足しています。特定の授業とは直接関係のない、汎用的なデータベースとして、追加と改良を続けています。

それから、このブログの資料集ですが、今後は、動画や地図などのマルチメディアのコンテンツも増やしていきます。私じしんが講義をしたものを録画して、また資料の中に組み込むというスタイルも始めましたが、これがうまくいけば、この口語体の長い講義ノートを長々と書き続ける必要はなくなると思います。そんな見通しです。