この記事には医療・医学に関する記述が数多く含まれていますが、個人の感想も含まれており、その正確性は保証されていません[*1]。
「躁うつ病」や「気分障害」とカテゴライズされてきた「症候群」の下位分類については、多数のモデルがある。
「笠原・木村分類」[*2]
「笠原・木村分類」におけるⅠ型〜Ⅵ型は、独自の分類法であり、双極症の分類とは異なる。
双極性障害はむしろ統合失調症に近く、若年に発症するが性差が少ない、単極性のうつ病は、不安症・強迫症と似ており、中高年層、女性に多い。女性にうつ病が多いのは、月経前、出産後、更年期といった女性特有のホルモンの不均衡とも関係している。
「新型うつ病」の諸相
人格の統合水準とエネルギー水準の二次元による分類[*4]
日本では、自責的で典型的なメランコリー親和型うつ病が減少し、他責的な「甘え」の要素が強い「未熟型うつ病」などの「新型うつ病」が増えてきたとされ、うつ病の亜型が多数提唱されるにいたっている。
同調性と双極性の二次元による分類[*5]
どの薬剤に反応するかによって分類するのは実際的だが、メランコリー型うつ病には抗うつ薬が奏効し、双極性障害には気分安定薬が奏効し、未熟型うつ病などの亜型がその中間に存在するとされる。(→「神経伝達物質と向精神薬」)
非定型うつ病
また、MAO阻害薬に反応する群として積極的に定義される非定型うつ病もうつ病の亜型の一つである。
非定型うつ病は双極Ⅱ型障害のうつ状態であることが多く、また拒絶過敏性(rejection sensitivity)の背後には境界性パーソナリティ障害(女性に多い)が存在する。
非定型うつ病はMAO阻害薬が奏効する疾患として積極的に定義されているが、その本体が単極性なのか双極性なのかについては議論が分かれている。
記述の自己評価 ★★★☆☆ (つねに加筆修正中であり未完成の記事です。しかし、記事の後に追記したり、一部を切り取って別の記事にしたり、その結果内容が重複したり、遺伝情報のように動的に変動しつづけるのがハイパーテキストの特徴であり特長だとも考えています。)
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CE2024/01/19 JST 作成
CE2024/02/03 JST 最終更新
蛭川立
*1:免責事項にかんしては「Wikipedia:医療に関する免責事項」に準じています。
*2:恵紙英昭・小川恵子 (2018).「精神科治療における漢方治療の可能性」『phil漢方』70, 3-8.(孫引き)笠原嘉 (2009). 『うつ病臨床のエッセンス (笠原嘉臨床論集) 』みすず書房.
*3:https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r05/zentai/html/zuhyo/zuhyo00-40.html
*4:阿部隆明 (2011).『未熟型うつ病と双極スペクトラム―気分障害の包括的理解に向けて』金剛出版.(孫引き)
*5:樽味伸 (2005).「現代社会が生む”ディスチミア親和型”」『臨床精神医学』34, 687-694.
*6:林直木・坂元薫・他 (2009).『精神科診療における説明とその根拠(専門医のための精神科臨床リュミエール9)』中山書店, 40-55.
*7:大前晋 (2010).「非定型うつ病という概念ー4種の定義」『精神神経学雑誌』112, 3-22.