WWWとHTML
研究用の資料は、もともとHTMLをベースにしてWeb上にアップしてきた。最初に「ホームページ」を開設したときに使ったプロバイダは「bekkoame.ne.jp」である。1998年ごろのことだったが、その後、閉鎖した。
サーバーの移転履歴の途中は省略するが、明治大学のサーバー上に蛭川研究室の公式サイト[*1]を作ったのが2004年である。2017年には「はてなダイアリー」上にブログ版「蛭川研究室」を新設した。明治大学のサーバー上の「蛭川研究室」公式サイトの新規ページの追加は停止した。現在は、内容の修正と削除を進めている。
ブログへの移転
ホームページ開設の当初は、HTMLのタグを直接打ち込んでいたが、そのままタグを打ち込んだ経験は、HTMLの構造を知る上では勉強になった。
いくつかのHTMLエディタを使っていたが、Adobe製品を使っていた流れで、もっぱらDreamweaberを使うようになった。それでもHTMLは煩瑣である。ソースに戻すと、テキストがダグに埋もれてしまう。
そのうちに、ブログが普及するようになった。日記としての用途が一般的だったが、簡易版のWEBサイトとしても使える。
ハードウエア的には、携帯端末の普及により、WEBサイトをPC、タブレット、スマホなど、異なる環境で見やすくデザインすることが必要になってきた。レスポンシブコーディングをすればいいのだが、当初、HTMLで個々に作るのは非常に面倒であった。これを自動的にやってくれるブログを使うほうが圧倒的に便利である。これが大きなきっかけになって、研究教育用の資料は、このブログのほうに移行させてきた。
なぜ「はてな」なのか
ブログには、日本だけでも、多数のサービスがある。その中でも「はてなダイアリー」を使うことを選んだのは、とくに下記の理由からである。
- HTML記法もMarkdown記法も使える
- Google MapやYoutubeなどを埋め込むのが容易
- 注釈が自動的に生成される
- はてなキーワードへのリンクが自動的に生成される
- TeX形式で数式を埋め込むことができる
日記的なブログで注釈や数式が使われることは少ないので、どのブログを使っても大差はない。しかし、註釈や数式を使うとなると、2010年ごろであれば「はてなダイアリー」がいちばん良かった。とくに注釈機能をうまく使うと、学術論文なみのコンテンツが手軽に書ける。
今ではブログのサービスもいろいろ増えた。「はてなダイアリー」は閉鎖されたが、そのまま「はてなブログ」へと乗り換えた。この「蛭川研究室新館」を作ったのは、2018年5月である。
「はてな記法」から「Markdown記法」へ
「はてなダイアリー」から解体的に発展した「はてなブログ」では、はてな特有の「はてな記法」だけでなく、より汎用性の高い「Markdown記法」が使えるようになった。「はてなブログ」自体が「Markdown記法」のエディタになったともいえる。
このブログの記事も、古いものは「はてな記法」で書かれているが、2023年2月から、「Markdown記法」に切り替えつつある。
「Markdown記法」も「はてな記法」も、「HTML」から煩瑣な改行記号などを省略し、簡素化した記法である。たとえて言うなら、HTMLが正確な文語体で、Makdownや「はてな記法」は、より簡略化された口語のようなものであり、あるいは、HTMLの方言だともいえる。どちらも似たようなものだが「はてな記法」のほうが、「はてな」の世界でしか通じない、かなり「訛りの強い」方言であるのに対し、同じ方言でもMarkdownのほうが、WordPressなど、他の広い世界で通じやすい。
「Markdown記法」の主なタグについては、以下の記事にまとめられている。
Markdown記法では、改行が半角のスペースで表されたり等々、欧語の入力環境に依拠していて使いにくいところもある。なお改行はTHMLで強引に<br>と書くと明示的に指定できる。
記法の曖昧さ
はてなブログでは「はてな記法」「Markdown記法」「HTML記法」の三種類のモードが使え、これらを同じページの中で混在させることもできる。そもそもがHTMLの方言なので、方言の文法は曖昧なのである。
脚注番号の自動生成
「はてな記法」独自の画期的な特長として、註釈の番号が相対参照によって自動的に生成されるという機能があり、これはMarkdown記法に混ぜて使い続けている。「Markdown記法」でも註釈機能が使えるようになったが、註釈の番号はテキストの中に個々に書き込む必要があり、絶対参照である。記事を追加したり削除したりしたときに、番号が相対的に割り当てられることがないのは、かなり不便である。
表のデザイン
「はてな記法」と「Markdown記法」の両方に共通した欠点として、テーブルのデザインが細かく指定できないという難点がある。たとえば、表の中で改行できないのは不便なのだが、<br>など、HTMLの改行記号を意図的に混ぜると、表の中で改行できることにも気づいた。
そもそも、<table>〜</table>と区切って、その間にベタにHTMLのコードを貼り込んでも、表は表示される。以下はその一例である。
はてな記法 | Markdown記法 |
---|---|
シンプル | やや複雑 |
汎用性が低い | 汎用性が高い |
ソースを見ると、表の立体構造が直感的には把握しにくいが、特殊な構造を持つ表にかぎっては、Dreamweaverのような別のHTMLエディタで編集することはできる。
文書のフォーマットは標準化できるか?
一般に流布している文書のフォーマットとしては、PDFとWordが多い。PDFは画像だから文書ではない。Wordは文書ではあるが複雑すぎるし、Microsoftに依存している。
WWWの標準はHTMLだがソースは煩瑣である。HTMLにもとづいた標準記法の試みとしてはOpenDocumentがあるが、それほど普及しているわけではない。
行政文書をMarldown化しよう、という動きもあるようだが、Microsoft方式への依存から脱することは必要だろう。
この「蛭川研究室新館」についていえば、当座「はてな」で始めたものだから、その制約内でMarkdown方式で文書を編集していくことにしている。状況はまた数年ごとに変わっていくだろう。
記述の自己評価 ★★★☆☆ (つねに加筆修正中であり未完成の記事です。しかし、記事の後に追記したり、一部を切り取って別の記事にしたり、その結果内容が重複したり、遺伝情報のように動的に変動しつづけるのがハイパーテキストの特徴であり特長だとも考えています。)
デフォルトのリンク先ははてなキーワードまたはWikipediaです。「」で囲まれたリンクはこのブログの別記事へのリンクです。詳細は「リンクと引用の指針」をご覧ください。