沖縄におけるアニミズム的聖地であるウタキは、本質的には「御神体」のない、特定の場所にある、何もない空間である。「タケ(山)」という日本語に対応しており、山や、そこにある樹木や岩石が崇拝の対象となることもあるが、ウタキ自体の属性よりも、その地理的配置が問題になる。ウタキの配置は、あるていどは東西、山海などの方角で決まっているが、イギリスで言われるレイラインのような幾何学的な位置関係があるというよりは、共時的な布置というべきものである。
沖縄本島で琉球王国と関連づけられている主な御獄[*1]
御獄巡りをする「ターリムン」は「歩かされる」が、これはシュナイダーのいう作為体験とは異なる。
虎頭山から見下ろした首里(左)から那覇(右)。左端が首里城正殿。春分・秋分のころに太陽は西(イリ)の方角に沈む。
中華の風水思想にもとづいて作られた平安京や鎌倉といった都市は、〈北ー南〉を軸にして設計されているのにたいして、首里・那覇は、〈東ー西〉を軸にして設計されている[*2]。
東(アガリ)は太陽が昇ってくる方角であり、西(イリ)は太陽が沈む方角である。那覇を見下ろす首里の丘の背後には、斎場御嶽が、そして久高島がある。
首里・那覇の都市構造の風水的解釈[*3]
中華帝国や日本本土の宮城は「天子南面」つまり王は不動の北極星を背にして立つという意味を持っているが、琉球の王は「てだこ(太陽の子)」であり、太陽が昇ってくる方角(アガリ=東)を背にして立つという対比がある。



