アマゾン先住民・アヤワスカ関連映画

制作された年代順に並べているが、よりノンフィクション的な描写が強まる順でもある。

『Blueberry』


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『Blueberry』(2004年)
 
アメリカを舞台にした西部劇のような映画なのだが、主人公は最後にメキシコに脱出し、そこでシャーマンから幻覚茶を差し出され、自身のトラウマ的物語を回想し、超越する。この内的経験のCGが、誇張されてはいるが秀逸。
 
メキシコ先住民という設定のはずが、出てくるシャーマンはシピボであり、幻覚茶はアヤワスカ茶のようである。

『彷徨える河』


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『彷徨える河』(2016年)
 
民族植物学者エヴァンス・シュルツがヤヘ(アヤワスカ)よりもさらに強力だと伝えられている「ヤクルナ」(おそらく実在しない植物)を求めてコロンビア・アマゾンを旅する。
 
百年前という設定であり、ほぼ全編が静かなモノクローム映像(だが、ラストシーンだけは演出過剰)。先住民の精神世界と過酷なゴム農園、そして狂信的なミッションが織りなす世界をリアルに描いている。

『ラスト・シャーマン』


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『ラスト・シャーマン』(2016年)
 
うつ病になったアメリカ白人の大学生がペルー・アマゾンに向かい、アヤワスカ茶で自己治癒。主な舞台はイキトスとシピボの村。実話に基づいた半フィクションだが、2019年に起こった「京都相思茶会事件」と非常によく似ている。
 
映画の最後で、シャーマニズムの商業化に反対し村を追われる「ぺぺ」も実在する人物だが、ぺぺを「最後のシャーマン」として描いているのは演出で、じつは現在、ぺぺは世界各地に呼ばれてアヤワスカの茶会を行っているという。
 
商業化によって真のシャーマニズムが失われてしまった、というのは作者の投影であって、先住民のシャーマンが飛行機に乗って世界中に出張しているという現実のほうが驚くべきことである。

『カナルタ 螺旋状の夢』


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『カナルタ 螺旋状の夢』(2021年)
 
エクアドル・アマゾンの先住民シュアール(ヒバロ系)の生活世界が等身大で描かれている。映画やドキュメンタリーらしい脚色が少ないという意味で、リアルな映像である。
 
アヤワスカも他のたくさんの薬草の一種として描かれており、シャーマニズム儀礼的な側面の描写としては物足りないが、儀礼の神秘的な側面に焦点を当てた映像は(上に紹介した映画など)他にもたくさんある。逆に先住民文化を過度に神秘化していないのは、むしろ貴重な記録だといえる。
 
これを書いている蛭川じしんはエクアドル・アマゾンには行ったことがない。二十年前にペルー・アマゾンに少し滞在したことがあるだけだが、熱帯の田舎の人たちの暮らしを懐かしく思い出させてくれる映像でもあった。
 
「Paris」や「NY」と書かれたTシャツを着て、「adidas」と書かれたジャージを履いて、なぜだか大麻のハッパの帽子をかぶっている人たちのダサい服装は悲しきグローバリゼーションの産物である。二十年前に比べると、会議中にスマホタブレットをいじっている人が増えたかなというところだが、そのことが余計に彼ら彼女らを身近に感じさせる。

アマゾンまで行ってアヤワスカを体験したというカジュアルな動画は日本語だけでも相当数あるが、それはまた別の場所にまとめたい。



CE2016/06/10 作成
CE2022/09/22 最終更新
蛭川立