蛭川研究室

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「人類学B」2021/09/21 講義ノート

さて人類学Bの授業です。当初、秋学期の授業は教室で行う予定だったのですが、緊急事態宣言がいつ解除されるのか等々、情勢が微妙でありまして、どうしたものか、判断が難しい状況にあります。

まずは、オンライン授業にして、しばらく様子をみるということになりました。

半期、全体の授業計画については「人類学B 」の授業ページをごらんください。

最初の回の授業は、まずは、この授業計画のページに書いてある、全体の展望からはじめます。詳しい説明は、Oh-o Meijiの「ディスカッション」掲示板を使って、リアルタイムで説明していきます。質疑応答もリアルタイムで行います。

それから、毎週の予定の、9月21日のところからリンクを張ってある、人類学とは何かという、人類学という言葉の意味ですね、まずこの「人類学の科学史的位置づけ」を読んでください。高校までの科目にはなかったので、人類学って何だろう?というのが、わかりにくいんですね。しかも文系の文化人類学と、理系の自然人類学の、文理にまたがっている分野なので、これもまたわかりにくいのです。しかし、授業全体を聞いていくうちに、全体はわかっていくと思います。

今日のところは、この、人類学とは何か、ということがわかってもらえば、というところです。あとは、頭の準備体操です。なにしろ進化論的な時間のスケールというのは、とても長いものです。宇宙のはじまりが140億年前で、地球ができたのは46億年前で、生命の誕生が38億年前で、そして人類は数百万年かけて進化してきました。そういう宇宙的なタイムスケールですね、空間的にもそうですが、大きなスケールの中で人間というものの位置を確かめようという、これも人類学、とくに理系の自然人類学ならではの視点です。「宇宙論的空間感覚・進化論的時間感覚」のページに、古典的な映像を紹介しておきました。どちらもアメリカ製なので、英語ですが、細かい言葉、とくに専門用語がよくわからなくても、映像の雰囲気はわかると思います。

ちなみに次回以降の授業では、遺伝学、DNAやRNAの話もしますが、細胞の核の中にある、遺伝情報を担う分子ですね、人間の身体の設計図でもあり、ウイルスも、ウイルスを模倣して作られたワクチンも、DNAだったりRNAだったりしますから、そういう、医学の基礎知識でもあります。

それから「生物の系統分類と人間の位置」も、ざっと見てください。この表を全部覚える必要はありません。地球上には何百万という生物の種が存在していて、ヒトもその一種にすぎない、ということです。動物であり、脊椎動物であり、哺乳類であり、霊長類であるという、この地球という大きな生態系の中で、たった1種類の生物なのだと、そういう大きな視点を持ってもらえればと、今週は初回ですし、そういう視点を持ってもらえればと思うわけです。

それから毎週の授業の予定にも書きましたが、来週以降は、具体的に、霊長類、サルの仲間ですね、その進化、そして人類の進化、そして日本人の起源へと、話を進めていきます。リンクをたどれば、それぞれのページに飛んでいきます。事前に読んでもらっても、もちろんかまいません。

授業のやり方についても、教室での講義とネットの利用など、いろいろ試行錯誤ですが、これから半年、勉強していきましょう。


  • CE2021/09/20 JST 作成
  • CE2021/09/21 JST 最終更新

蛭川立