蛭川研究室

蛭川立の研究と明治大学での講義・ゼミの関連情報

日記を書く試み(四日目)

hirukawa.hateblo.jp
承前。

前夜

前夜は布団の中で考えごとなどして、いつものように寝つきが悪かった。ブラジルのことなどが思い起こされたが、サント・ダイミの聖歌は、日本語にするなら、力を与えよ光を与えよ、蔓は力で葉は光、と置いたほうが、韻律がよいかとか、脳内校正が続いてしまう。

楽しいことを考えて眠くならないのは楽しいことだが、思いついたアイディアは枕元のスマホにメモして、眠りの呼吸に戻す。拡散していく思考を拡散していくままにして、呼吸に意識を戻す、という方法は、理屈ではわかっているが、実践は難しい。実践経験を十分に積んでいても、しばらく間が空くと、また難しくなる。

いつものように睡眠薬を適当に飲んで寝る。夜は枕元にマイスリーとルネスタがあって、それを適当に使いながら寝ているのだが、何を何錠飲んだのか、その場で記録していないので、はっきりわからない。

ネスタとは物質名をエスゾピクロンといい、そのキャラクターはツキノワくんであり、などと講釈を始めるとまた思考が飛んでいく。それは別の記事に書くとして、思考を日記に戻す。

そして朝は自然に6時すぎに目覚めた。またうとうとして、7時すぎに目覚め、というのは、入院していたときのパターンに似ている。朝六時に自然に目覚めるというパターンは退院後はしばらく続いたが、最近は消えていた。

講義ノートのチェック。
hirukawa-archive.hatenablog.jp
ニワトリの脳の解剖の写真が表示されない。これは、はてなブログと、Googleフォトとの連携が、2020年初頭に切れてしまって以来、復旧していない。しかも表示されないはずの写真が自分のパソコンからは見えてしまう。学生さんと通話。朝早い通話は脳が目覚める。なにか、仕事上の問題が発生して、通話せざるを得ないという義務感が、脳を覚醒させる。朝から急ぎ解決すべき問題が起こって朝飯前に通話せざるを得ないシチュエーションを毎日作ればいいのだと思う。

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朝食など。個々の写真の説明を始めると長くなるので、省く。

特筆すべき点としては、身体年齢が43歳になっていることだが、これは、どういう計算なのかわからないが、あまりにも若すぎる。もっとも、体感としては、違和感がない。最近は、若返っているように感じる。これは、病気が良くなってきたからだろう。日記の開始とともに、しばらく空きがあった睡眠日誌を再開した。睡眠相が前進している。

食べものよりも、服薬のほうに自覚的になってきた。ラモトリギン100mg。これは、消極的な意味でしか飲んでいない。DHAEPA葉酸、鉄、亜鉛、そしてオロパタジンは副作用で眠気が出る抗ヒスタミン薬なのだが、睡眠薬代わりの裏ワザとして処方されているのに、朝に飲んでいるのはおかしい。

朝食後の段階では、中枢神経刺激薬もベンゾジアゼピンも服用していない。

日記を書くようになってから、気づき、アウェアネスのレベルが上がって、生活改善が急に進んでいるが、しかし余計な文章を書きすぎている。せっかく脳の調子が良くなっているのに、他の仕事を推敲する時間を圧迫している。

心がいつも焦って走っているのは、時間割がうまくできていないからである。一日、一週間のサイクルで予定表を作ってみよう。なにしろ今年度の4月前半は、授業や会議をオンラインにするかオフラインにするかで右往左往状態で、予定が決まらなかった。

11時JSTUTC+9。朝起きると、この時間に眠気が来る。今日は自宅でじっとしているので、モダフィニルを半錠。メチルフェニデートは強すぎるので、しばらく飲んでいない。強い薬は、必要なときには使ったほうがいいが、常用するものではない。

表題には日記四日目とあるが、じっさいに書きはじめたのは12日で
horyu.hatenablog.jp
それから8日経っている。もともとはブログをメモ的に使おうと考えていただけだった。食事日記になったのが四日前。

今日これからの予定もリアルタイムで書いて自分で読んで消す予定。

19〜21時には、研究室から自宅宛に送った本が届く。それから、自宅にある本を研究室に送り出す。大量の本があって、しょっちゅう行き来させている。

13時、昼食のお知らせが来る。

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人類学の授業予告を流して、それから二時までにざっくり講義ノートをまとめようと、バタバタしていると、軽食をつまみながらキーボードを打つという、けっきょく元のパターンに戻ってしまう。

乳製品に偏っており、肉は鶏肉が主であり、食後はフェンネルを嗜むあたり、インド文化の影響を強く受けている。当地におけるヒンドゥームスリムの対立も気にしている。カトマンドゥのカーリー寺院で見たニワトリの供犠、そこで出会った非暴力の聖者、ミルク・ババのことも深く記憶に刻まれている。

二時。学生さんとの話し合いの約束があった。適当な服装だが、気心知れた男子学生は、気にしないことにする。

彼は、別の大学の学生だが、今年度も大学が閉鎖されて、すべてオンラインになったので、といって自宅にこもっていてもしょうがないので、いっそ外国に行ってしまいたい、と言っていた。なるほど大学のオンライン化は、逆にオンライン留学生に来てもらうなど、グローバル化にもつながっている、そういう前向きな側面もあるのだと、面白い話ができた。

自宅に引きこもっていながらにして、いつも意識が世界中を飛び回っているのは、おかしいのかと自省してきたが、やはり、そうではあるまい。

いったい目の前にある食べ物は、どこから来たのか。その来所をはかる。この身体は、中国やアメリカやオーストラリアなど、地球のあちこちから来た分子の混合体である。

流行しているウイルスはどこから来たのか。中国の雲南だ。それは切実な問題だ。この身体がすでにグローバル化しているというのに、多くの日本人が無自覚なまま、移民を排斥し続けている。

そして三時半から六時半まで人類学のオンライン掲示板ディスカッション。予定時間の二倍。

神経科学の基礎について学んでほしいと思って教材を準備したのだが、けっきょく、薬物問題が盛り上がる。まあ私が誘導しているのだが、酒やタバコは合法なのに、アヤワスカ大麻はなぜ違法なのか、という問いかけに、食いつきが良い。いまアヤワスカが違法かどうか裁判で争われているということもかなり認識されている。

向精神薬というテーマの背後には、物質と精神という形而上的な、そして精神展開薬の背後には、さらに深遠な神秘思想が存在するのだが、それよりも、身近な社会の問題のほうがわかりやすいのだろうし、まずは学生諸君を入り口に案内することから。

みな、素直で、賢い。未来は明るい。

そして四時間走り続けて、ぐったりする。また食欲を忘れていた。キーボードを打ちながら、いつの間にか、あれこれ食べていたかもしれない。

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さしあたりは、かの聖者のように牛乳を一服。

この後は、サラダを少々食べ、ラモトリギンやオロバタジンや、その他サプリメントを服用した。もっと詳しく書こうと思ったところが、あれやこれやで、気づくとすぐに11時になっていた。そろそろ寝る時間。この、時間間隔が飛んでしまうのが大きな問題なのだが、11時だと気づけるようになっただけでも進歩である。こんな基本的なことで進歩だというのも情けない話だが、睡眠障害者にとっては、この基本が大事なのである。



いっそ海外に移住してしまいたいという大学生のことについて、それは面白い発想だねえ、と、励ましつつ、じっさいには、諸外国に対しては、ほぼ、渡航中止勧告が出ているのも現状だと、熱い議論を交わした。そのことを、この日記に書いた。しかし、考えなおして、事後的に削除した。

www.anzen.mofa.go.jp

この日記は、自身の健康管理のための覚書なのであって、つまり寝起きした時間や食べ物、服薬の記録であって、それ以上のことは書けば長くなりすぎるし、他人がどうこうしたとか、書けば逆にプライバシーの侵害になるし、それについてどう考えたかとか、移民問題だとか、余計な話は、必要におうじて、別の場所に書けばいいと考えた。と書いているうちに、また長くなってしまった。

11時30分。一日ぐらい風呂に入らなくてもいいか、明日も自宅仕事だし、ということで、今日の活動は終わり。

この記録をつけ始めてからは、誰が読んでいるかは別にして、自分の生活を自覚するのには、意外に、とても役立っている。たったこの数日で、生活がだいぶ変わった。



記述の自己評価 ★☆☆☆☆
(思いつきを書きとめたものなので、文章が不完全であり、内容の信頼性も低い。)
CE2021/04/20 JST 作成
CE2021/04/20 JST 最終更新
蛭川立