蛭川研究室

蛭川立の研究と明治大学での講義・ゼミの関連情報

2022-01-01から1年間の記事一覧

日本の精神展開薬研究史

この記事は書きかけです。関連する情報をご存じの方はお知らせください。 この記事には医療・医学に関する記述が数多く含まれていますが、その正確性は保証されていません[*1]。検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。この記事の内容…

大麻とカンナビノイド

Cannabis and Cannabinoids この記事には医療・医学に関する記述が数多く含まれていますが、その正確性は保証されていません[*1]。検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。この記事の内容の信頼性について検証が求められています。確…

「ゲリラ」としての学際研究

新しい研究分野は、必然的に学際的な様相を帯びるものである。しかし、学際的ということは、広く浅い雑学という意味ではない。すこし長くなるが、日本の宗教学の先駆者のひとりである柳川啓一による、よく知られた一節を引用する。 …宗教学は、宗教一般を解…

デリリアント(せん妄誘発薬)

Deliriants この記事には医療・医学に関する記述が数多く含まれていますが、個人の感想も含まれており、その正確性は保証されていません[*1]。 トロパンアルカロイド キダチチョウセンアサガオ ベラドンナとスコポラミン トロパンアルカロイド トロパンから…

仏教の戒律

初期仏教における戒と律 「酒」と「薬」の間 初期仏教における戒と律 仏教における戒律は、戒(sIla:行為の規則)と律(vinaya:教団の規則)からなる。初期仏教の経典の中で、もっとも重要視される『ダンマパダ』の第18章は、死を目前にした人が閻魔王に向…

【資料】グレゴリー・ベイトソン(Gregory Bateson)

日本語版『精神の生態学』の巻末にベイトソンの全著作とその和訳リストがある。1936年『Naven』(邦訳なし)Naven: A Survey of the Problems suggested by a Composite Picture of the Culture of a New Guinea Tribe drawn from Three Points of View作者:…

精神活性物質・精神展開薬関連書籍リスト

精神活性物質をめぐる用語 著作リスト 精神活性物質全般 精神活性物質をめぐる用語 精神に作用する物質について、まず用語の整理をしなければならない。医学用語としては、英語との対応関係も明らかにする必要がある。精神に作用する物質について、一般的に…

【資料】青木保『タイの僧院にて』

人類学者である青木保氏じしんがタイで出家した「参与観察」の記録『タイの僧院にて』。還俗したときの経文がパーリ語で記されている。私がかつてチェンマイで出家・還俗したときには(→「タイでの一時出家」を参照のこと)、パーリ語とタイ語訳とを交互に唱…

「不思議現象の心理学」講義計画 2023年度

Anomalistic Psychology この記事は常に書きかけです。 講義計画 公式シラバスについては「『不思議現象の心理学』西暦2023年度 概要」を参照されたい。重複するようだが、こちらのページでは毎週のじっさいの講義計画をリアルタイムで更新していく。授業は…

「人類学B」講義計画 西暦2023年度

この記事は常に書きかけです。 文理の学際領域としての人類学 講義の進行 西暦2023年度に開講される人類学Bの公式シラバスについては「『人類学B』西暦2023年度 概要」を参照されたい。重複するようだが、こちらのページでは毎週のじっさいの講義計画をリア…

「身体と意識」講義計画 西暦2023年度

Body and Consciousness この記事は常に書きかけです。 講義概要 講義計画 公式シラバスについては「『身体と意識』西暦2023年度 概要」を参照されたい。重複するようだが、こちらのページでは毎週のじっさいの講義計画をリアルタイムで更新していく。授業は…

「人類学A」講義日程 西暦2023年度

この記事は常に書きかけです。 文理の学際領域としての人類学 進行計画 西暦2023年度に開講される人類学Aの公式シラバスについては「『人類学A』西暦2023年度 概要」を参照されたい。重複するようだが、こちらのページでは毎週のじっさいの講義計画をリア…

天動説と地動説 ー 西欧ルネサンス期のコスモロジー ー

西暦1633年、ガリレオはローマに呼ばれ、古代ローマの神殿(パンテオン)跡の近く、街中の小さな教会、サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会で宗教裁判にかけられ、そこで聖書の教えに反するとされた地動説への支持を撤回する。その後フィレンツェ郊外の…

【記事の改装工事中】モンゴル ー復活する宗教文化ー

高校と予備校を卒業した後、まず京都大学農学部農林生物学科に入学した。集団遺伝学を学びたかったからでもあるが、漠然と今西錦司に憧れていたからでもある。国立民族学博物館でモンゴルの特別展が行われているらしく、Twitterに展示の写真が投稿されていた…

サンスクリットとデーヴァナーガリー文字

梵英辞典 梵和辞典 デーヴァナーガリー文字 参考リンク その他のインド系文字 梵英辞典 梵英辞典としては、Monier-WilliamsのA Sanskrit English Dictionaryが一般的だが、オンライン辞書「Monier-Williams Sanskrit-English Dictionary, 1899(外部サイト)…

エンタクトゲン(共感薬)

この記事は特定の薬剤や治療法の効能や適法性を保証するものではありません。個々の薬剤や治療法の使用、売買等については、当該国または地域の法令に従ってください。 カテコールアミンと中枢神経刺激薬 フェネチルアミン誘導体 共感薬(エンタクトゲン) …

カンナビノイドに類似する作用を持つ植物

この記事は特定の薬剤や治療法の効能や適法性を保証するものではありません。個々の薬剤や治療法の使用、売買等については、当該国または地域の法令に従ってください。 アサ科の植物 トリュフ カヴァ サルビア、マカ、ニンジン カンナ クン・サンの治療儀礼 …

人面把手付土器

顔面把手付土器ともいう。深鉢のふちに、同時代の土偶と同じような顔がついている。 人面把手付土器(撮影:蛭川立) 縄文時代中期前半(3000-2500 BCE)長野県梨ノ木遺跡出土[*1] 人面把手付土器も意図的に壊されたようにばらばらになっていることが多く、…

てんかんの検査/内部視覚

井の頭公園の木漏れ日 Office Yule(動画閲覧注意:明滅する光が脳を刺激します) 睡眠障害の検査 てんかんの検査 睡眠障害の検査 2018年6月。晴和病院で睡眠障害の検査のため脳波の検査を二回行った。終夜睡眠ポリグラフ検査では睡眠時無呼吸が治っていたの…

弁護側証人尋問 ー京都アヤワスカ茶会裁判ー

ヒーラーの証人尋問 大学生の証人尋問 追記 令和3年、西暦2021年11月10日。京都地方裁判所。弁護側証人尋問が行われた。 ヒーラーの証人尋問 午前11時より、2020年2月26日に青井被告を自宅に招いて「お茶会」を行った「ヒーラー」の女性に対する尋問が行われ…

アサ(大麻)の起源と伝播

ヘンプとマリファナ 東アジア起源説 アフリカから南北アメリカ大陸へ Origin and Distribution of Cannabis www.youtube.com ヒマラヤ山脈南東部、ブータンに自生するアサの雄株。(蛭川撮影、2007年) ヘンプとマリファナ アサ属(Cannabis spp.)には、大…

【資料】サルトル『実存主義とは何か』

サルトルが『実存主義とは何か』において「実存(existentia)」は「本質(essentia)」に先立つがゆえに「人間は自由の刑に処せられている(L’homme est condamné à être libre)」と論じている部分。 無神論的実存主義はいっそう論旨が一貫している。たと…

【資料】レヴィ=ストロース「歴史と弁証法」

レヴィ=ストロースの「歴史と弁証法(Histoire et dialectique)」は、フランス現代思想の歴史において、サルトルの実存主義(→「【資料】『実存主義とは何か』」)を論破し、構造主義の時代の幕開けを告げたと評されているが、その議論の中心に、単純に還…

北インドのシヴァ・ラートリー

Shivaratri Festival in Varanasi of Northern Indiaシヴァ・ラートリー。世界の死と再生の神、シヴァの夜。ヒンドゥー暦で最終月の新月の晩。日本でいえば、大晦日の夜というところか。初めてインドを訪れたとき、わくわくする気持ちで夜行列車に乗り込み、…

向精神薬 〈酔い〉 自力 他力 興奮剤 「カテコール酔い」 自信 否認 抑制剤 「オピオイド酔い」 無力 否認 幻覚剤(使用中) (底つき→絶対他力) 無力 受容 幻覚剤(使用後) 「インドール酔い」 自信 受容 自力で努力 第一希望を狙って寝ないで受験勉強 カ…

遺伝子からみた日本列島民の系統

二重構造説 よく知られたSNP アルコールの代謝 耳垢 Y染色体ハプログループ ミトコンドリアDNAハプログループ 二重構造説 日本人は、日本人の起源論が好きである。実際、日本人の系統は単純ではなく、いまだに詳細がわかっていない。民族集団の系統関係と言…

人類学とは何か ーその科学史的位置づけー

人類学の背景 人類学の下位分野 二つの人類学 文理総合科学としての人類学 人類学の現代的意義 人類学の背景 人類学(anthropology)は、人間を研究する学問である。しかし、そう定義しただけでは、人間を扱う学問のすべてが「人類学」になってしまう。人類…

【資料】仏教経典

概説 大蔵経 上座部仏教経典 パーリ三蔵 律蔵 経蔵 論蔵 日常読誦経典 大乗仏教経典 密教経典 概説 仏教経典はキリスト教の『聖書』やイスラームの『クルアーン』のように整理されておらず、おそらく長い時代に書きためられた文献が非常に大量にある。書かれ…

縄文文化の超自然観(移植整備中記事)

www.isc.meiji.ac.jp 階層を発達させつつあった社会 政治的指導者と宗教的職能者 土偶と女神信仰 「殺された女神」仮説 容器のデザイン 他界と交流する技法 再生への信仰? 配石の世界観 階層を発達させつつあった社会 縄文文化は西暦紀元前1400年~紀元前10…

ポストモダンとしての侘び茶

茶道は日本の伝統文化の代表のように語られるが、その歴史は意外に浅い。大麻(Cannabis sativa)が縄文土器の縄目模様と同じだけの歴史を持っている可能性に比べると、今でこそ日常「茶飯」事になっている茶や米が日本列島に渡来した歴史は、はるかに新しい…