蛭川研究室

蛭川立の研究と明治大学での講義・ゼミの関連情報

「問題発見テーマ演習B」 西暦2024年度

オーシェイ, M.・山下博志(訳) (2009). 『1冊でわかる 脳』岩波書店.(O'Shea, M. (2005). The Brain: A Very Short Introduction. Oxford, Oxford University Press.)

ブラックモア, S. ・篠原幸弘・筒井春香・西堤優(訳) (2010).『1冊でわかる 意識』岩波書店.(Blackmore, S. (2005).Consciousness: A Very Short Introduction. Oxford, Oxford University Press.)

イギリスで出版されている人文科学系の超小型入門シリーズ「A Very Short Introduction」は、日本語では「〈一冊でわかる〉」シリーズとして翻訳されている。このうち「脳」と「意識」の二冊をテキストにして輪読する。全体として、神経系の生化学から、知覚や認知、意識と自我、そして夢や変性意識状態へと議論を進める。

予備知識は必要ないが、高校生ていどの生物学の知識があれば、なおよい。

日程 内容 発表
09/26 (授業計画)
一冊でわかる脳
10/03 体液から細胞へ 寶野
10/10 脳の中の情報伝達 塚原
10/17 ビッグバンからビッグブレインまで
10/24 感覚・知覚・行為 大屋
10/31 (休講)
11/07 記憶はこうしてできる 鵜月 村田
一冊でわかる意識
11/14 なぜ意識は謎なのか 長谷川
11/21 人間の脳 東原
11/28 時間と空間 大津 片山
12/05 壮大な錯覚 下田 青山
12/12 自我 榊原 堀田澤
12/19 意識的な意志 木村  
12/26 (休講)
01/02 (休講)
01/09 変性意識状態 古梶
01/16 意識の進化 田辺


  • CE2022/12/05 JST 作成
  • CE2024/10/17 JST 最終更新

蛭川立

オレゴン州シロシビンサービス訪問記(慶應医学部発表資料)

この記事には医療・医学に関する記述が数多く含まれていますが、個人の感想も含まれており、その正確性は保証されていません[*1]

この記事は特定の薬剤や治療法の効能を保証するものではありません。個々の薬剤や治療法の適法性については、当該国または地域の法令を考慮してください。

シロシビン合法化の「オレゴン・モデル」

オレゴン州では2023年*2]から「サービスセンター(service center)」内でのシロシビンの合法的使用が始まった。

www.oregon.gov

シロシビンはスケジュールⅠの規制薬物であり、所持、施用、売買等は違法である。スケジュールⅠの物質は医療用の使用も認められていないが、サービスセンター内での使用は医療や宗教という目的外で認められている。使用に付き添うファシリテーター(facilitator)は医師、看護師、心理師のような臨床的な資格ではない。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/b9/Legality_Psilocybin_US_map.svg/2560px-Legality_Psilocybin_US_map.svg.png
アメリカにおけるシロシビン・キノコの法的規制。灰色と水色の州は違法。青い点は非犯罪化した市区町村。紺色は非犯罪化に加えて免許制により合法化した州[*3]

全米ではまずオレゴン州がシロシビン・マッシュルームの公式サービスセンターを認可し、コロラド州が後を追っている。

違法薬物の個人使用を非犯罪化したオレゴン州では、オピオイドの乱用が広がり、2024年9月より、また再犯罪化された。大麻はすでに違法薬物のリストから外され、アルコールやタバコと同じ扱いになっている。

問題となっているのはフェンタニルなどのオピオイドが主であり、シロシビンなどのサイケデリックスについては事実上の容認が続いている。そのため、サービスセンターでシロシビンを使用するのは、完全に合法で安全に使用することを望む高所得者、州外・国外からの来訪者が多い。

ファシリテーター制度

2023年の春、旧知のビショップ・杉田・菜生子さんからファシリテーターの養成学校、Synaptic Institute[*4]に入学したいという連絡を受け、推薦状を書いた。


www.youtube.com
「Greenzone Japan」が取材したシロシビンサービスの紹介動画

菜生子さんは2024年の春からオレゴン州ファシリテーターとしての活動を始めた。8月の夏休み期間に、シロシビンサービスを体験するために渡米することにした。

準備セッション

渡航前に問診票に記入し、zoomによるインテークと準備(preparation)セッションを受ける必要がある。

東京からオレゴン

シロシビン・サービスセンター


www.instagram.com

1回目のセッション

2回目のセッション



帰路、ポートランドに立ち寄る

統合=インテグレーション

セッション後には、ファシリテーターが対面、そして遠隔でクライアントと面談をする。これをintegration(統合)という。


従来よりサイケデリック体験等の非日常的な意識状態から日常的な社会生活に軟着陸することは「グラウンディング」と呼ばれてきた。サイケデリック療法における「統合」においても、何年もかかる心理療法的な支持が必要になるだろう。

記述の自己評価 ★★★☆☆
(つねに加筆修正中であり未完成の記事です。記事の後に追記したり、一部を切り取って別の記事にしていますが、遺伝情報のような冗長性がハイパーテキストの特徴であり特長だとも考えています。)

デフォルトのリンク先ははてなキーワードまたはWikipediaです。「」で囲まれたリンクはこのブログの別記事へのリンクです。詳細は「リンクと引用の指針」をご覧ください。

  • CE2024/08/20 JST 作成
  • CE2024/09/17 JST 最終更新

蛭川立

Evolutionary Psychology of Shamanism: Toward a Computational Theory of Shamanic State of Consciousness.

Shamanism is defined as a practice to solve problems in a community by communicating with 'supernatural' worlds in SSC; shamanic states of consciousness. Typical shamanism characterized by 'magical is found mainly in band societies of hunter-gatherers (Winkelman, 1992). Shamans make a journey to other worlds by out-of-body experience (OBE) to contact supernatural power.

According to the hypothesis of evolutionary psychology, the human brain is a result of natural selection under the environment of Pleistocene that Hominid evolved (Tooby & Cosmides,1989). Our brains are optimized to the environment of evolutionary adaptedness (EEA) i. e. nomadic band society. This suggests that the ability to change the state of consciousness into SSC is based on some innate and universal structure of the human brain (Krippner, 1998). In fact, shamanism in a broad sense including mediumistic practice is found in most of human societies. Spirit possession is an altered form of SSC; also, meditation techniques such as yoga and Zen must originate from some kind of shamanic practice in South and East Asia. Even among ordinary people who live in industrial societies, spontaneous shamanic experiences such as OBE during near death experience and sleep paralysis are not rare. This kind of experience also can be induced by entheogenic drugs that have been used in shamanic rituals for thousands of years mainly by indigenous people in Middle and South America.

There is rich experiential evidence of SSC. However, the adaptive value of SSC is not clear. What kinds of information do shamans really process? And why? In this paper, I try to clarify a 'computational theory' (Marr, 1982) of SSC. It is believed that shamans have psychic ability to see a distant place, predict the future, and heal some diseases. Shamans enter into SSC to get the information or power. In general, ASCs have a function to stop the filter of attention while the attention of perception tends to fix on a specific object in 'ordinary' state of consciousness. This makes it easy to aware inner information such as archetypal images stored in the realm of unconsciousness to solve the problem.

In addition, such kind of information may contain 'paranormal' information. Although the results of experimental parapsychology are still controversial, there is evidence that hit rate of ESP experiment increase in the condition of ASC. Shamans may enter SSC to enhance sensitivity to access nonlocal reality. If so, our brain have an inner mechanism to switch the states of consciousness to access to both local reality described by classic physics and nonlocal reality described by quantum physics.

(Proceedings of Toward a Science of Consciousness: Tucson 2000, p. 167. )

「人類学B」西暦2024年度 講義計画

西暦2023年度に開講される人類学Bの公式シラバスについては「『人類学B』西暦2023年度 概要」を参照されたい。重複するようだが、こちらのページでは毎週のじっさいの講義計画をリアルタイムで更新していく。授業はライブであり、シラバスどおりには進まない。受講生からのフィードバックや時事的な話題なども考慮しながら進めていく。

文理の学際領域としての人類学

学部の1・2年生向けの講義は「人類学A」と「人類学B」である。春学期の「人類学A」と秋学期の「人類学B」は独立の科目だが、人類学は文理融合の総合科学であるという主張は「人類学の科学史的位置づけ」に書いたとおりだが、二つの授業は、いずれも自然人類学の話から始めて、社会人類学文化人類学へと発展させていくという構造は続けたい。

「人類学B」は自然科学的な基礎知識として、遺伝学・進化論を概観し、配偶システム、親族と婚姻、社会人類学、経済人類学等々を論じたい。自然科学から人文・社会科学への境界領域としては、個人遺伝子解析や生殖技術、優生学論争、社会生物学論争などを中心に取りあげたい。

講義の進行

09/26 イントロダクション
人類学とは何か
人類学の科学史的位置づけ
暦法コスモロジーと文化相対主義−」
10/03 宇宙の進化と生命の進化
宇宙論的空間と進化論的時間
生物の系統と進化
脊椎動物の進化
サル目の系統進化
10/10 有性生殖と配偶システム
  「遺伝と生殖」
人類の起源と進化
ヒト上科の社会構造
人類の進化と大脳化
気候変動と生物の進化・人類の歴史
10/17 蛭川ゼミの紹介
蛭川ゼミナール紹介動画
バリ島民の象徴的世界観
10/24 現生人類の拡散
日本列島民の系統
ウイルスと人類の共進化
10/31 (休講)
11/07 チベット文化圏
親族と婚姻ー文化人類学・社会人類学の基本概念
単婚と複婚
出自の規則
(「2003年春・四川・雲南での調査記録」)
走婚ー雲南モソ人の別居通い婚ー
送魂ー雲南ナシ族・モソ人の葬送儀礼
ブータンの母系社会」
11/14 中国(漢民族
陰陽五行の世界観
神話の実体化ー丙午現象
呪薬の論理
11/21 遺伝子解析と優生学
個人向け遺伝子解析
11/28 遺伝子と文化の共進化
認知機能・パーソナリティの小進化
人種・民族・文化
12/05 ミクロネシア
ヤップ島の親族構造と呪物としての貨幣
神話の構造(オーストロネシアと古代日本)
南太平洋のカヴァ文化
12/12 インドネシア・バリ島
バリ島民の象徴的世界観
12/19 「バリ島民の儀礼と芸術」
12/26 (休講)
01/02 (休講)
01/09 現代社会における象徴的コスモロジー
01/16 労働・貨幣・欲望
01/23 (補講予定日)
01/30 期末試験



記述の自己評価 ★★★☆☆

  • CE2022/04/08 JST 作成
  • CE2024/12/20 JST 最終更新

蛭川立

「身体と意識」 2024年度 進行計画

Body and Consciousness
公式シラバスについては「『身体と意識』西暦2024年度 概要」を参照されたい。重複するようだが、こちらのページでは毎週のじっさいの講義計画をリアルタイムで更新していく。授業はライブであり、シラバスどおりには進まない。受講生からのフィードバックや時事的な話題なども考慮しながら進めていく。

講義計画

09/23 イントロダクション
京都アヤワスカ茶会裁判 ー アマゾンの薬草が日本で宗教裁判に? ー
オレゴン州シロシビンサービス訪問記
09/30 脳の状態と意識の状態
胡蝶之夢
意識の諸状態
10/07 睡眠と夢
睡眠と覚醒の概日周期
10/14 神経系の構造と機能
ヒトの脳の構造
【資料】『病の起源:うつ病』
10/21 明晰夢と睡眠麻痺
睡眠麻痺と入眠時幻覚
明晰夢
10/28 精神活性物質の神経科
神経伝達物質と精神活性物質
精神活性物質の民俗分類
11/04 (休講)
11/11 精神展開(サイケデリック)体験
精神展開薬(サイケデリックス)
「精神科治療薬としての精神展開薬」
11/18 臨死体験
臨死体験
11/25 宗教体験と精神疾患
「自然発生的神秘体験」
宗教体験と性的欲動
「芸術の意識科学」
精神疾患と創造性
12/02 西洋思想における身体と精神
古代ギリシア哲学における心物問題
西洋近代哲学における心物問題
12/09 東洋思想における身体と精神
古代インド哲学における心物問題
12/16 輪廻と転生
輪廻と解脱という観念
『前世の記憶』体験
12/23 瞑想・ヨーガ・禅
ヨーガと瞑想
タイでの一時出家
「禅と芸術」
12/30 (休講)
01/06 (休講)
01/13 (休講)
01/20 水槽の脳
仮想現実と心物問題
01/27 教室での試験


  • CE 2022/04/06 JST 作成
  • CE 2025/01/10 JST 最終更新

オレゴン州シロシビンサービス訪問記 本編

この記事には医療・医学に関する記述が数多く含まれていますが、個人の感想も含まれており、その正確性は保証されていません[*1]

この記事は特定の薬剤や治療法の効能を保証するものではありません。個々の薬剤や治療法の適法性については、当該国または地域の法令を考慮してください。

hirukawa-notes.hatenablog.jp
承前。

オレゴン・モデル

オレゴン州では2023年*2]から「サービスセンター(service center)」内でのシロシビンの合法的使用が始まった。

シロシビンはスケジュールⅠの規制薬物であり、所持、施用、売買等は違法である。スケジュールⅠの物質は医療用の使用も認められていないが、サービスセンター内での使用は医療や宗教という目的外で認められている。使用に付き添うファシリテーター(facilitator)は医師、看護師、心理師のような臨床的な資格ではない。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/b9/Legality_Psilocybin_US_map.svg/2560px-Legality_Psilocybin_US_map.svg.png
アメリカにおけるシロシビン・キノコの法的規制。灰色と水色の州は違法。青い点は非犯罪化した市区町村。紺色は非犯罪化に加えて免許制により合法化した州[*3]

全米ではまずオレゴン州がシロシビン・マッシュルームの公式サービスセンターを認可し、コロラド州が後を追っている。

違法薬物の個人使用を非犯罪化したオレゴン州では、オピオイドの乱用が広がり、2024年9月より、また再犯罪化された。大麻はすでに違法薬物のリストから外され、アルコールやタバコと同じ扱いになっている。

問題となっているのはフェンタニルなどのオピオイドが主であり、シロシビンなどのサイケデリックスについては事実上の容認が続いている。そのため、サービスセンターでシロシビンを使用するのは、完全に合法で安全に使用したい高所得者層、州外・国外からの来訪者が多い。

2024年8月・オレゴン

luminalifejourney.com
Naoko Bishopさんが2024年春から始めたシロシビン・リトリート「Lumina Life Journey」

旧知のナオコ・ビショップさんがファシリテーターの資格を取り2024年6月に開業したと聞き、8月にオレゴン州渡航し、じっさいにシロシビンサービスを受けてみた。

準備セッション

渡航前に問診票に記入し、zoomによる準備セッションを受ける必要がある。

2024年8月20日

2024年8月21日

2024年8月22日

2024年8月23日


2024年8月24日

2024年8月25日

2024年8月26日



2024年8月27日

2024年8月28日

2024年8月29日

2024年8月30日

2024年8月31日


(Xにポストした投稿を貼りつけながら内容を整理しています・・・)

記述の自己評価 ★★★☆☆
(つねに加筆修正中であり未完成の記事です。記事の後に追記したり、一部を切り取って別の記事にしていますが、遺伝情報のような冗長性がハイパーテキストの特徴であり特長だとも考えています。)

デフォルトのリンク先ははてなキーワードまたはWikipediaです。「」で囲まれたリンクはこのブログの別記事へのリンクです。詳細は「リンクと引用の指針」をご覧ください。

  • CE2024/08/20 JST 作成
  • CE2024/09/13 JST 最終更新

蛭川立

*1:免責事項にかんしては「Wikipedia:医療に関する免責事項」に準じています。

*2:出典未確認

*3:Psilocybin decriminalization in the United States - Wikipedia

オレゴン州シロシビンサービス訪問記 第0回 出発前

この記事には医療・医学に関する記述が数多く含まれていますが、個人の感想も含まれており、その正確性は保証されていません[*1]

この記事は特定の薬剤や治療法の効能を保証するものではありません。個々の薬剤や治療法の適法性については、当該国または地域の法令を考慮してください。

8月14日(水)出発6日前

東京はずっと蒸し暑い真夏日が続く。東南アジアにいるような錯覚にもおそわれるが、それにしても九年間、日本を出ていないし、最後に熱帯アジアに行ったのは、いつだったも思いだせない。

学部生向けの講義、人類学と心理学の二科目、前期末レポート千枚の採点を終える。前期の仕事、春学期の仕事は、これでひと区切り。

授業では自分の好きな研究のことを話しているのだし、レポートの内容もかなり面白い。面白いはずなのに、大量の採点作業で疲れてしまう。締切に間に合わないとまた事務に迷惑をかける、という焦りがネガティブ思考を生む。

8月15日(木)出発5日前

九年ぶりの海外旅行で、飛行機に乗って国境を越えるとはどういうものかもわからなくなるほどに脳が退化してしまった。脳のリハビリ。

飛行機に乗って未知の世界に飛んでいくのが毎年の楽しみだったし、事前に地図を見ながら、サバイバル用品や撮影機材を周到に準備をしていくのもワクワクする、はずなのだが、いままでは楽しいと思えていたことがどこか億劫で面倒で、そして不安でさえある。うつ病の診断基準を満たしてしまいそうである。脳が疲れて炎症でも起こしているのかもしれないが、そういうときにこそ、抗うつ薬としてのケタミンやシロシビンを試すチャンスでもある。


オレゴン州ポートランドからアシュランドへ


アシュランドとアップルゲート

まずは手書きで地図を書いてみた。地図はただ眺めるだけではなくて、鉛筆と消しゴムで、自分で描いたり消したりすると場所の地理関係がわかってくる。

8月16日(金)出発4日前

東京は雨。もう八年も精神神経科に通っているが、まずは睡眠薬を補給するため、ではあるが、それよりも精神科医との議論が面白くて通っている。精神医学にもかなり詳しくなった。

医師「蛭川さん、いよいよ飛び立ちますな」
自分「はい事前の報告に来ました」
医師「飛行機に乗るだけでドパミン出ますな」
自分「はい九年ぶりですから元気になりたいです」
医師「でもセロトニンも必要ですな」
自分「はいセロトニンも」
医師「じつは蛭川さんは宇宙人じゃないんですかね」
自分「宇宙人だから何なんですか」
医師「飛行機で外国に行くよりロケットで宇宙に行くほうがいい」
自分「ではシロシビンを飲んできます」
医師「成功を祈る」

いつもの短い診察だが、最後に医師は立ち上がり、笑いながら敬礼をして見送ってくれた。

8月17日(土)出発3日前

IntegrationではSatyaサービスセンターからコメントが帰ってくる。

www.instagram.com
Twitterでは薬物政策を研究している丸山センセイとすれ違う。

8月18日(日)出発2日前

27年前、1997年8月にオアハカ先住民マサテコの村でシロシビン含有菌類の調査をしたときの写真を掘り出しつつ、シロシビンとの再会のことを考える。


じっさいに行って確かめてみようと思い立ち、わざわざ重たいスーツケースに荷物を詰めて、羽田空港第三ターミナルというところまで行ってみた。イスラームふうの帽子をかぶった人、中国語をやかましく喋る人たち、多民族的な世界があった。重たい体が軽くなった。

8月19日(月)出発前日

朝起きてみると左の手首が痛い。無理をして捻挫してしまったようだ。

出発直前になって先方、オレゴン州の関係者たちと連絡を取りはじめる。ファシリテーター、サービスセンターの人たちとは連絡がとれはじめた。ファシリテーターの養成学校の仕組みもわかった。

いっぽうで、オレゴン州保険局など行政、役所関係、あるいは大学、研究者、医師、心理師といった人たちとは関わりがない。オレゴン州公認のシロシビンサービスだというが、医師でも心理師でもない人たちが自主的に活動していて、州の保険局がそれを認可しているという構造らしい。

トップダウンではなくボトムアップな方式。菌糸のリゾームのあちらこちらから子実体が生えてくるといったイメージである。

九年ぶりの海外旅行に向けて、荷作り。スマホとノートPCを充電しながら、ほどほどにネットに接続して暮らせるように機材のチェック。

→「オレゴン州シロシビンサービス訪問記 第1回」に続く。



記述の自己評価 ★★★☆☆
(日々その都度、思いついたことを書きとめているだけなので、文章は荒く、途切れ途切れです。学術的に価値がありそうなコンテンツは、できるだけ加筆修正して独立させます。)

  • CE2024/08/15 JST 作成
  • CE2023/08/18 JST 最終更新

蛭川立

*1:免責事項にかんしては「Wikipedia:医療に関する免責事項」に準じています。